木瓜皿（もっこうざら）といえば、
木瓜（ぼけ）の花びらのような曲線が四方を囲むかたちが多いですが、
「東屋」の「木瓜角皿」は、それを直線で表現したもの。
四隅の窪みが木瓜皿の名残を留めて、
どこか懐かしささえ感じさせる器です。

なぜ直線って、やっぱり角皿は使いやすいのです。
テーブルの上でも、食器棚の中でも、丸皿よりぐっと省スペース。
和・洋・中、どんな料理とも相性がいいので、
「長角」なら煮魚や、出汁巻き卵、カプレーゼ。
「正角」なら野菜の煮びたしや、つゆたっぷりの揚げ出し豆腐、
漬物数種類の盛り合わせに。
器の中でも、料理が無駄なく収まってくれます。
深さもしっかりあるので汁気の多い煮物でも安心。

素材は熊本県で採取された天草陶石に、
木を燃やした灰を使った「土灰釉」をかけたもの。
真っ白というより少し青みがかって、
ところどころ黒点がプツプツと入ったり
ほんのりざらりとした質感に、親しみやすさが感じられます。
磁器でありながら、土ものとも、木の器とも相性がいいのは
きっとこのおかげ。

使い勝手がよくて、親しみやすくて……とはいえ、
厚さも重みも程よくあるキリリとした佇まいには、
普段着のお皿とは、また違った雰囲気が漂います。
煮魚とごはん、味噌汁の定番和食にはもちろん、
チーズや魚のマリネ、クラッカーをのせて、ワインや日本酒と共に使えば、
大人のくつろぎ時間のいいお供にもなってくれそう。
そんな風にシーンごとに新しい表情も見せてくれる、
新鮮さを失わない角皿なのです。