シンプルでモダンなフォルムながら、
ノスタルジックな雰囲気も感じる「７寸リム皿」。
栃木県益子町で作陶する「郡司（ぐんじ）製陶所」から届きました。

主に夫の郡司庸久（つねひさ）さんがろくろなどでの成形を、
妻の慶子さんが彫り細工や絵つけなどの装飾を担う郡司製陶所では、
でき上がった器を自分たちで実際に使ってみて、
いいなと思うものだけを採用しています。

思い描く色を出すため釉薬に合わせて土を使い分け、
かたちとバランスのとれたやわらかな質感のため窯の温度を調整したりもするそう。
そういう試行錯誤の積み重ねが、郡司さんたちがつくる器が持つ、
凛とした独特の雰囲気をまとわせるのかもしれません。

オーソドックスなリム皿に存在感を添えるのは、
「白」、「薄あめ」、「濃あめ」、「黒」の４種類の色。

「白」は、益子の伝統的なうわぐすり「糠白（ぬかじろ）」に手を加え独自の濃度にしたもの。
原材料は米のもみ殻の灰である糠白の色味は、お米のようなやわらかな質感です。
透明感のある「薄あめ」は、釉薬に入るヒビ「貫入（かんにゅう）」がよく見え、
「濃あめ」は、チョコレートのようなココアのような、美味しそうな色。
こっくりと濃度の高い「黒」は、どんな料理も引き立てます。

ロールパンにスクランブルエッグ、おにぎりに漬物、ベーグルサンドといった
軽いメニューにぴったりのサイズです。
料理と言っていいのか不安になるほどの簡単なものでも、
きちんと感が出るのはお皿に馴染んだ釉薬の色味とリムのおかげ。

１人分のカットケーキならリムにはみ出ることなくゆったり盛りつけられ、
チーズとクラッカーに生ハムをちょこちょこと盛りつければ
ワイングラスとともに、立派なおもてなしの一皿になります。

奇をてらわないからどんな食卓にもすぐ馴染み、
盛りつける料理を美味しそうに演出する。
郡司製陶所の器のように、
もっと自由に食べものと向き合いたくなります。