これまでも何種類かピーラーを使ってきましたが、
特に大きな違いを感じることもなく、「まぁ、こんなものか」と思っていました。
金属加工の街・新潟県三条市を拠点とするブランド「て/ま」の
「こぶりなピーラー」と「こぶりな千切りピーラー」に出会うまでは。

まずは「こぶりなピーラー」を使ってみると、ジャガイモの皮をむきはじめて、驚きました。
今までのピーラーの感覚で力を入れると、むしろ空回りしているかのような軽い使い心地。
ただ表面を滑らせるだけで、薄く皮がむけていくのです。

その秘密は、プロ用の高級包丁にも使用されるステンレス焼入鋼。
中でも特に硬度の高い材料を、粒度の高い砥石で磨き上げることで切れ味よく仕上げています。
これなら熟したキウイのような、やわらかい果物でも皮むきができるほど。

抜群の切れ味は、食材の組織を潰さないので、
皮をむいた断面は滑らかで、みずみずしく見えるのだそう。

そして「こぶりな千切りピーラー」。
にんじんを握って、シューっとひと滑り。

一瞬、１枚のにんじんがむけたように見えたのですが、
よく見ると2.5mm幅の千切りが見事にできていました。
 

これならにんじんしりしりやごぼうのきんぴらの千切りも、あっという間。
幅が均一なので、味つけも食感も整って、料理の腕も進歩したみたいです。

「こぶりなピーラー」、「こぶりな千切りピーラー」どちらにもついている
芽取り部分にも一手間かけられています。

横に飛び出るのでなく、U字型の本体の片方を尖らせながら引き延ばしたようなかたち。
使うときは、先端をジャガイモの芽の部分に当てて、くるりと一周。
鋭い切れ味に加えて鋭角に差し込めるので、
より深くの芯まで、無駄なくしっかり取り除けるのです。

刃を支えるU字型部分の片側だけ僅かに高さがあるのは、
そこを下にして置いたときに刃が浮くように。
刃がまな板などに密着することなく水切れがよくなり、
清潔に、より長く使えるようになります。

使い終わったら、さっと丸洗い。
留め具や接合点を極力減らして一体構造に近づけているので、
洗うときも汚れが溜まりにくく、清潔です。
そんな製造工程の一手間も「て/ま」ならでは。

長く使ううちに切れ味が鈍ってきたな、と感じたら、
最初の１回は「替え刃サービスが無料」です。
刃を取り換えることで、お気に入りの道具がずっと使えるサポートはうれしいもの。

料理に一手間をかける楽しみ、
そして気に入った道具を長く使う喜びを感じさせてくれるピーラーです。