【一時生産中止】

「果物鉢」。
その響きもさることながら、
フルーツや野菜の色味を引き立てる
みずみずしい磁肌と釉薬が魅力です。

使い手の立場に立った暮らしの道具を発信している「東屋」と、
佐賀県の伊万里港を見下ろす、
腰岳（こしだけ）山頂付近に工房を構える「文祥窯（ぶんしょうがま）」の
三代目・馬場光二郎さんが共同でつくり出した「果物鉢」は、
一つ一つ手引きろくろでつくられています。
ふんわり丸みを持って立ち上がる側面から、
自然に縁のやわらかいカーブまでつながっていくのは手ろくろならでは。

今では「IMARI」として海外でも認知されている伊万里焼。
約400年前、初期伊万里と言われる
佐賀県有田で生まれた日本初の磁器には、
有田泉山の泉山陶石（せんざんとうせき）が使われていました。
現代の有田焼の特徴である透けるような白さとは違い、
ところどころに黒点が見られたり、
土の粗っぽさやあたたかみの感じられる器に仕上がる泉山陶石を
文祥窯では好んで使い続けています。
馬場さんの信条でもある「綺麗に仕上げてしまわずに、なりたいように。」の通り、
「果物鉢」は黒点を含め、
釉薬の垂れや焼き上がりの際にできる色ムラを器の個性としています。
だからこそ器との一期一会を強く感じ、
使うごとに愛着を持って、手にすることができる器なのです。

はち切れそうな伊予柑の房をいくつか、
無造作に置いてみたらそのみずみずしさが引き立つこと。
りんごやいちごにヨーグルトとシリアルを添えて。
彩り鮮やかなサラダや副菜の盛りつけに。
はたまた、食卓の定番である肉じゃがや角煮など、茶色い煮物にも
どこか潤いを与え、美味しそうに見せてくれます。

なんて事ないかたちに見えて、
中央にこんもり盛りつけるだけでなんでも映えてしまう、
不思議な許容力と存在感があります。
電子レンジや食洗機にも対応しているので、日々の使い勝手も抜群。
気づいたら、手が伸びている……そんな器だから、
使ってみて、やっぱりもう一枚、欲しくなってしまうのも頷けます。