急須の一大産地である愛知県常滑市の高資陶苑（たかすけとうえん）と、
産地と使い手、デザイナーを結ぶ東屋による、
烏泥（うでい）の焼き締めの表情が美しい「平急須」。

急須の産地が誇る技術の粋は、見た目の美しさだけでなく、
使い勝手にも結集されています。

まずは、取っ手。
「後手」は、指がしっかり入って安定します。
「横手」は、握って持つので力が入れやすく、
たっぷりお湯を注いでも軽々持つことができます。
そして広い開口部のおかげで、急須の内部も隅々まで楽にしっかり洗えます。

次に、蓋を取ると目に入る大きな茶漉し。
細かな孔が、広く緩やかな半球状につけられており、
茶葉をしっかり受け止めながら、目詰まりしにくいつくりになっています。
また、茶葉が急須の中でゆったりと広がることができるよう、
茶漉し自体が空間を邪魔することはありません。

そうして淹れた美味しいお茶は、最後の一滴までしっかり搾り出すのがコツ。

傾けたときに蓋からお茶が漏れたりしないよう、
「蓋すり」という技術でピッタリ閉まるように調整されています。
注ぎ口の湯切れのよさも申し分ありません。

手の平から伝わるさらりとした細やかな土肌は、
使い込むほどに艶を増し、こっくりとした味わいになります。
色々な用途、シーンで、永く使っていきたい急須です。