白木を削った角ばったフォルムに、たてがみのついた素朴な木の置き物は「八幡馬（やわたうま）」。
青森県の郷土玩具です。

八戸市を中心とする南部地方で古くからつくられていた八幡馬は、
福島県の「三春駒（みはるこま）」、宮城県の「木下駒（きのしたごま）」とともに日本三駒に数えられるそう。
1997年、青森県伝統工芸品に指定されましたが、現在では「八幡馬株式会社」が唯一の生産者となりました。

かつて、暮らしに欠かせない存在であった愛馬の順調な生育を願い、
つくられたという木彫りの馬の玩具。
地元の「櫛引（くしひき）八幡宮」で行われるお祭りでお土産ものとして売られるようになり、
神社の名前から「八幡馬」と呼ばれるようになったのだとか。
大小、親子２頭並んで飾るのが慣わしとされています。

素材は、青森県産の白木。
そこに麻でたてがみと尻尾をつけています。
もともとはナタ１本でこのかたちがつくられていたそうですが、
現在では、糸鋸（いとのこ）で全体を切り出した後、
ノミなどで八幡馬の特徴でもある、腹、胸部分の愛らしいカーブを削り出しています。

その後、伝統的には千代紙で色とりどりに飾られるそうですが、
白木の八幡馬をcotogotoではリクエストしました。

色柄がついたものに比べ、和室にも洋間にも馴染みやすく、
すでに飾ってある置き物との相性も心配ありません。
手にすれば、木の温かみも直接感じられ、
何度もなでるうちに木の表面に加わる艶など、経年変化を楽しめるのも無垢の木ならでは。

「草原を駆ける馬のように、すくすく育ってくれますように」
そんな願いを込めてこどもの日のお飾りやお祝いに。
馬好きのあの人に。
素朴な「八幡馬　白木」が、やさしい馬の存在感を家の中にも連れてきてくれます。