杉の調湿性を保ちながら撥水性を持たせた「拭き漆」の弁当箱

手に取ると、軽く、さらっとした手触り。
蓋をあけると木の爽やかな香り。
福岡県糸島市に工房を構える「杉の木クラフト」が手がける、杉の木に拭き漆を施した「弁当箱」です。

木地に漆を塗ったのち、余分な漆を拭き取る「拭き漆」の手法で仕上げられています。
拭き漆仕上げは、通常は何度も漆を塗り重ねるものですが、１回にとどめることで、杉の木の調湿性をできるだけ損なわずに、撥水性を加えています。

杉の調湿効果を残しているから、ご飯の余分な湿気を吸収してくれ、おひつに入れたときのようにふっくらと美味しい状態を保つことができます。

そのうえ漆のおかげで、ハンバーグのような色の濃いおかずや、唐揚げなど油もののおかずを入れても色移り、油染みの心配もありません。

使った後は中性洗剤でさっと洗いあげるだけでさっぱりきれいになります。

そして木目の表情や軽さといった杉の木の素材としてのよさも活かされています。
拭き漆の落ち着いた深い色合いがご飯やおかずの色を引き立てて美味しそうに見せます。

「挽き曲げ」の手法でつくった美しいカーブ

四つ角になる部分の内側に数本切り込みを入れて曲げる「挽き曲げ」という手法で、きれいなカーブを描きながら１枚の杉板が全体を囲みます。
丸い角は洗いやすくお手入れも簡単なのもうれしいです。

繋ぎ合わせた部分はシンプルな側面のアクセントにもなっています。

２種類のかたち、五つのサイズ

かたちは長辺の長い「一段弁当箱」と、正方形に近い「子供弁当箱」の2種類の長方形。

細長くスリムなかたちの「一段弁当箱」。
「小」は、ご飯一杯に、メイン１種でお腹いっぱいになる人には十分。
細長いかたちだから、端っこからおかずを詰めていくだけで、きれいに盛りつけができます。
カバンに収まりやすいのも、うれしいところです。

「大」は、お茶碗一杯強のご飯に、おかずも鮭やカツなどメイン２種と副菜までしっかり収まります。

さらに一番大きな「特大」は、お茶碗一杯強のご飯に加えて複数種類のメインや副菜も入ります。
たっぷり入るから、ときには２人分のいなり寿司やおにぎりを入れてレジャーにも。

正方形に近いかわいらしさがあるかたちの「子供弁当箱」。
「大」は、ご飯もおかずも「一段弁当箱　大」のちょうど半分ほど。
低学年の小学生のお昼によさそうです。
さらに一回り小さくなって、随分と可愛らしい印象の「小」は、園児のお昼に。
大人用にも、おかずだけやご飯だけを詰めたいときに便利なサイズです。

お直しもできて、長くつき合える弁当箱

ふっくらご飯を堪能して空っぽになっても手のひらでなでなでしたくなる手触りのよさ。
長く使っているうちに表面の漆が擦れて木肌が見えてきたら、修理の合図です。
塗り直し、割れや欠けなどの修繕もメーカーで受けつけてくれます。
使う頻度が高く、気軽に使いたい弁当箱だからこそ、長く安心して使えるのはうれしいですね。

毎日のお昼が美味しくなること、日本の素材で手仕事でつくられていること、長くおつき合いできること、それを思ったら、こんなにお買い得な弁当箱はないかもしれません。

全サイズの容量を比較してみました！

「杉の木クラフト」の弁当箱には、「一段弁当箱」や「子供弁当箱」の他にもかたち違いで全９種類あります。
「どのサイズがいいのか分からない！」という方のために、実際にお弁当やサンドイッチを詰めながら、サイズを比較してみました。

【お弁当を詰めてみました】

「弁当箱」、「正方形弁当箱」各サイズに、一般的なお弁当の中身を詰め替え、それぞれご飯やおかずがどれくらい入るかを検証。

【サンドイッチを詰めてみました】

「サンドイッチ弁当箱」各サイズに食パンのサンドイッチがどれくらい入るか比較しました。

杉の木クラフトについて

福岡県糸島市にある木工房。
日本固有の木を大切に使いたいという思いから、
杉の木を素材に器から時計にお盆、本棚といった家具まで、生活に役立つ道具をつくっています。
人が植え、育てられてきた杉の木は軽くて、あたたかかくて、やさしい木。
日本で育った木材で、永く使えるものづくりを心がけています。