「七島藺（しちとうい）」は、大分県国東（くにさき）地方のみで栽培される
畳表の材料となる植物です。
い草の仲間にあたり、国東半島でしか手に入らないという希少な素材。

畳の材料といえば、い草を思い浮かべがちですが、
実は、い草よりも強度が６倍もあるので、柔道用の畳に使われていたり、
熱に強いことから囲炉裏の縁にも使われているのだそう。

栽培のほとんどが手作業で行われるため、その大変さから
いまでは「七島藺」を扱う農家は10軒にも満たないほどなのだとか。
そんな中、「七島藺」を絶やしたくないという思いから、
田植えや収穫も手伝いながら作品づくりをし、「七島藺」の魅力を
伝えているのが、青木奈々絵さん。

「円座型」と呼ばれる、まさに囲炉裏を囲む座布団のように
丸く編み上げられた鍋敷きとコースター。
手触りの良さと昔懐かしいかおりが鼻先をくすぐります。

仕事の合間にちょっとひと息。
「コースター」にカップを、「鍋敷き」にポットを。
一緒に使えば、おかわりもできて便利。

「コースター」は、湯飲みとの相性もバッチリです。
日常使いにもお客様用にも使えます。

夏場には冷えたジュースをグラスに注いで、
冬場には湯気のたつ熱々のコーヒーをマグカップで。
汗をかいたグラスやマグカップを乗せても、自然に生まれる凹凸のおかげで、
くっつきにくく、さらっとしてくれるのも密かなポイント。

熱に強い素材なので、「鍋敷き」なら熱々の鉄瓶だったり、土鍋を置いても大丈夫。
平らで安定感があるので、鍋がぐらつくこともなく使いやすいのも嬉しいところ。

使いこむごとに表面には艶が増し色合いも落ち着いてきます。
懐かしくて、なんだか気持ちが落ち着くのは、
きっと畳の香りにDNAが反応しているから。
和室にはもちろん、洋室にも似合う「七島藺」の道具たちは、
畳文化の今のかたちとして、気軽に取り入れられそうです。