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弘前こぎん研究所

刺し子と呼ばれる、布地の補強や保温を目的にされてきた刺繍の中でも、 青森県で見られるこぎん刺しは、横糸に沿って、 縦糸の本数を数えながら針を刺していくことで、細かな幾何学模様が生まれるのが特徴です。
1788年頃には既に今に残る刺し方は完成されていたそうですが、 それらが明治以降、流通網の発達によって衰退の一途をたどるのは、 他の多くの伝統的な手仕事の例にもれません。
そこで再興への道筋を示し、支えたのが、民藝運動の創始者の一人である柳宗悦。
こぎん刺しの美しさに打たれた柳は「名もない津軽の女達よ、よく是程のものを遺してくれた」と書いています。
その後立ち上げられた弘前こぎん研究所の努力と研究により、 今私たちがこの温かみのある手仕事に触れることができるのは、有難いことだと思います。