管理栄養士・美才治真澄さんに教わる、二十四節気の食べごろレシピ 2020 立冬
2020年11月公開
二十四節気の一つ「立冬(りっとう)」は「冬立つ」というその言葉の通り、
暦の上ではこの日から冬の季節に入ります。
とはいえ、本格的に厳しい寒さが訪れるのは11月下旬頃から。
衣替えや冬支度がまだの方は今のうちに済ましておきましょう。
立冬の献立
鶏と焼き芋、栗のブレゼ
調理時間:30分
598kcal(1人分)
「ブレゼ」とは少量の水分で食材を
じっくり蒸し煮にするフランス料理の調理法のこと。
今回はスーパーやコンビニなどでも売っている
「焼き芋」と「甘栗」を使って
ほっこりとあたたかなレシピに仕上げています。
塩ベースの味つけに
さつまいもや甘栗の自然な甘さが加わります。
食べ応え抜群の骨つき鶏肉は蒸し煮にすることでやわらかく、
焼き芋や甘栗と食べると甘じょっぱくて
癖になる美味しさです。
ホクホクと体をあたためてくれるレシピはこの季節におすすめ。
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材料:2人分
骨つき鶏肉(ぶつ切り)
…400g
焼き芋(市販)
…小1本(150g)
甘栗…10個
玉ねぎ…1個
にんにく…1片
タイム…6本
塩…小さじ1/2
胡椒…適量
小麦粉…適量
バター…小さじ2
酒…100ml
水…100ml
つくりかた
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1.
焼き芋は皮ごと一口大に割り、甘栗は皮をむいて半分に割ります。玉ねぎは薄切りに、にんにくはみじん切りにしましょう。
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2.
鶏肉は塩、胡椒を摺り込み、小麦粉を薄くはたきます。フライパンを強めの中火にかけてバターを熱し、鶏肉を並べて写真のように両面を色よく焼いたら一旦取り出します。
【ポイント】
鶏肉は骨つき肉が手に入らなければ、鶏もも肉に代用可能です。 -
3.
2のフライパンに玉ねぎ、にんにくを入れて炒めます。写真のように玉ねぎが薄く色づいてきたら酒、水を加え、焼いた鶏肉を戻し入れます。
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4.
煮立ったら隙間に焼き芋と甘栗、タイムを入れ、蓋をして弱火で15分ほど蒸し煮にすれば完成です。
栄養のまめ知識
*今回の主食材である「さつまいも」と「甘栗」は便秘を防ぐ「食物繊維」が豊富です。さつまいもは皮に繊維が多いので、皮ごと食べるのがおすすめです。
冬場は野菜の摂取が落ち込む季節と言われています。なかでも11月は家庭での野菜の購入金額が1年のうちで最低となり、特に野菜が不足しがちになるという調査結果もあるほど。野菜が足りないとビタミン不足はもちろん、食物繊維の不足を起こします。ただでさえ冬は胃腸の動きが鈍りがちになり、便の硬さを調整してくれる水分の摂取も減りがちです。そこに食物繊維不足が加われば、普段快便でも便秘になりやすくなります。意識的に野菜を使うのはもちろんですが、今回のように皮ごと調理するといった、ビタミンや食物繊維が多く取れる方法でレシピを考えると栄養不足も解消できるはずです。
*近年はスーパーやコンビニなどで手軽に「焼き芋」が手に入ります。選ぶ際には全体的にずんぐりとした丸みがあって、ずっしりと重く、ひげ根や表面の凹凸が少ないものが良品です。さらに切り口から蜜が出ているものならば、十分な甘さがあるはずなのでおすすめです。
料理に使った器や道具
過去の立冬のレシピを見る
美才治 真澄(びさいじ ますみ)
管理栄養士 / フードコーディネーター
香川栄養専門学校(女子栄養大学短期大学部)卒業後、管理栄養士・荒牧麻子氏に師事。のちブラジル・バイーアへ料理留学。帰国後ヴィーガンカフェ “Cafe Eight”のフードディレクターとしてケータリング・商品開発の企画運営に携わる。 現在はフリーランスとして、企業、メディアに向けたメニュー提案及び調理&スタイリング、栄養相談、料理教室、オーダーメイドケータリングなどを中心に活動中。女子栄養大学生涯学習講師。
著書に「満たされスープ」(世界文化社)、「かわいい!カラフルお弁当」(女子栄養大学出版部)。監修を手がけたものに「ギャル曽根流 大食いHAPPYダイエット」「世田谷農家に教えてもらう本当においしい野菜の食べ方」(ともにマガジンハウス)ほか。「ELLE a table」「VOGUE」「anan」「Hanako」「Tarzan」など各誌でも活躍中。ちなみに「トルコトラベルブック」(東京地図出版)は、cotogoto店長・涌井との共著本。
HP:http://bisaijimasumi.com/