商品担当のあれこれ日記
2024年11月公開
title:つくり手を訪ねる旅―熊本編―
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まだ暖かさが残る10月に、熊本のつくり手に会いに行ってきました!
今回は訪問や買いつけの様子をご紹介します。まずはcotogotoでもとても人気の竹細工職人、城戸繁延さんの元へ。
工房にははじめてお邪魔します。今回は製作過程を見させていただきました。
竹細工をつくる現場はなかなか見る機会が少なく、
そんな手間がかかっているのかと驚くことばかり。
まずは材料となる竹ひごづくり。
薄く剥ぐだけでなく、一本一本表面を磨いたり、
手への当たりがやわらかくなるよう面取りをしたり……
ようやく材料ができ上がります。
竹かごづくりの7割の時間は、
竹ひごをつくっているというほど、時間がかかるものです。
均一で丁寧につくられた竹ひごだからこそ、
堅牢で丈夫なかごができるのだと実感。その後は編み方も教えてもらいました。
が、まったくちんぷんかんぷんで……。
商品としての竹かごはたくさん見てきましたが、まだまだ勉強不足ですね。竹ひごづくりから、1個のかごができるのは、
気の遠くなる作業だなと感じましたが、
昔から竹細工に興味があった城戸さんは、
好きだからこそ1日に何時間もつくり続けられるそう。大変貴重な時間を過ごせました。
その後は、窯元巡り!
熊本には小代焼(しょうだいやき)という焼き物があります。
そのなかでも「ふもと窯」とそこを卒業した方の窯元へ。まずは「まゆみ窯」。
定期的に実店舗に納品いただいている、眞弓亮司(りょうじ)さんの窯元です。今回は実店舗イベントの「小さな蓋つぼ展」の仕入れに。
蓋つぼは蓋と本体を重ねて焼くため、
一般的には縁に釉薬がかかっていないものが多いですが、
こちらの蓋つぼは縁まで釉薬がかかっています。
そうすることで、本体だけでも小鉢のように食卓でも使えます。ちょっと残ったおかずを蓋つぼに入れて冷蔵庫に。
次の日はそのまま食卓へと、使い手を考えた眞弓さんらしい蓋物です。
今回の「小さな蓋つぼ展」でも縁まで釉薬がかかってるものはなく、
個人的に推しです。続いて、小代焼「ふもと窯」へ。
小代焼は、熊本県の小岱山麓で約400年前から焼き続けられている
九州を代表する陶器です。伝統工芸士で熊本国際民藝館の館長も務める、
名工・井上泰秋(たいしゅう)さんが築窯されました。
多くつくり手も輩出している窯元で、「まゆみ窯」の眞弓さんも、
この後訪れた「まもる窯」の徳永さんも、ふもと窯で修行されました。今回は泰秋さんの息子の尚之(なおゆき)さん、
そして最近、修行先から戻ってきた孫の亮我(りょうが)さんの器も
少し買いつけさせていただきました。スリップウェアを中心とした器が揃いました。
オーブンにも使えるので、これからの季節にぴったりですね。そして最後に、ふもと窯で20年修行したのち独立をした、
「まもる窯」の徳永護さんを訪れました。
「面取」、「しのぎ」、「幕掛け」、「象嵌」、「掛け分け」など、
さまざまな技法を用いて器づくりをされています。「余計な装飾はしないで、他の産地の技法を参考にしながらも、
ふもと窯の技法を大事に守りたい」という想いで作陶されているそう。お話を伺うと大変真面目な方ですが、
徳永さんの工房は、遊び心に溢れていました。
上の写真の、ちらっと写っているしんちゃんも気になります……笑。訪れたときはもうすぐハロウィンということもあり、
来た人に楽しんでほしいという飾りつけが。季節だからといって、薪ストーブでつくってくれていた
美味しい焼き芋をいただきながら、買いつけさせていただきました。つくり手のみなさんは大変穏やかで、温かい方ばかりで、
あっという間の熊本出張でした。
熊本には他にもたくさんの窯元があります。
一般購入ができるところもあるので、ぜひみなさんも行ってみてください。そして今回買いつけてきた器に加え、
ふもと窯出身のかじや窯の器も届きましたので、一挙に実店舗に並んでいます!
この機会にcotogoto実店舗にもお越しください。