商品担当のあれこれ日記
2024年8月公開
title:「出西窯」のお取り扱いがはじまります
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島根県、出雲でつくられる、
「出西窯」の器のお取り扱いがまもなくはじまります!
出西窯は、1947年に5人の青年によって創業された窯元です。
仏教の精神、教えを取り入れながら、柳宗悦氏、濱田庄司氏、
バーナード・リーチ氏などの民藝運動の中心人物から指導を受けられました。
現在では約15名の陶工が、手仕事にて作陶し続けています。
民藝が好きな方なら、一度は目にしたことがある器ですよね。
現在の代表の多々納(たたの)真さんは、日本民藝協会の専務理事も務め、
民藝を代表する窯元の一つです。
私がはじめて出会ったのは、10年ほど前、民藝店を巡っていたときでした。
はじめて手に取ったのが、美しく深く輝く、呉須の青いお皿。
出西窯の代表的な色で、「出西ブルー」と呼ばれることもある色です。
青い器は料理を鮮やかにしてくれて、また堅牢なつくりが気に入り、
いろいろな食器を持っていますが、ついつい手が伸びてしまう1枚でした。
その後、日々使う器や、骨董屋さんで見つけた昔の大きい器も加わりました。
どれも素朴で何を盛ってもよし。和洋問わず使っています。
ざらりとした質感のものは、土の感じが触っていて、なんだか落ち着く。
無意識のうちによく使う器が増えています。
こんな暮らしに溶け込む器を、
是非cotogotoのお客様にも紹介したいという想いで、
7年前にはじめて窯元を訪ね、お取り扱いの相談をしておりました。
しかし当時は、生産数の関係で新しくお取引をすることができませんでした。
民藝や手仕事の品は、丁寧な仕事で手間がかかり、
新しくお取引するのが難しいことはよくあります。
その後もずっと心の中ではお取り扱いをしたい気持ちが残りつつ、
コロナ禍もあり、すっかり年月が経ってしまいましたが、
この度ご縁があり、ついにお取り扱いができることに。
さっそくご挨拶をしに出西窯に伺ってきました!
7年前と違い、工房とギャラリー近くには、
アパレルショップやベーカリーカフェが併設され
「出西くらしのvillage」となっていました。
週末はたくさんの人で賑わうそう。
伺った日はベーカリーカフェがお休みで残念でした……。
工房では陶工さんにご案内いただき、
作業を拝見したり、仕事の想いを伺うことができました。
一般の方も工房に入ることができるらしく、
「気軽に話しかけて大丈夫ですよ」とのこと。
皆さん、作業を見られるのも慣れた様子でした。
出西窯では、「飯碗」、「マグ」といったように決められた種類の器を、
成形から釉薬かけまで一人で行います。
それによってその種類の器への責任を持ちつつ、
時間配分は人それぞれで、残った時間で新しい器を
自由に試作することもできるそうです。
真剣に土に向き合っている姿を間近で見ていると、
こうして自由に工房を開放しているのも、
仕事に誇りを持ち、嘘偽りがないからこそできることなのかなとも感じました。
また年に3~4回窯焚きをする登り窯も拝見しました。
登り窯は、下から薪を投げ入れて火を焚きますが、
その作業が一昼夜も続くとのこと。
ガス窯、灯油窯、電気窯といった現在主流である窯と違い、
大変厳しい作業で、なおかつ温度のコントロールが難しく、
思うように焼き上がらない場合も多いそう。
「効率も悪いんだよね……」と言いながら、
それでもいまなお登り窯での窯焚きがあるのは、
炎と格闘しながら、思うようにいかないことも含めて、
「焼きもの」というものに向き合う大切な仕事だからとのことでした。
他にも器や仕事への向き合い方を伺い、
出西窯の歴史を尊重しながら、仕事への誇りを持ち、
技術を磨く姿が本当に素敵だなと感じました。
より一層、器にも愛着が増します。
その後は併設するギャラリーにて、少し買いつけもさせていただきました。
広々としたギャラリーは、いろいろと目移りしてしまいます。
買いつけ終わりには、代表の多々納さんにもお話をさせていただき、
cotogotoのこと、民藝のことなどの情報交換も。
またお会いすることを約束しながら、
すっかり辺りが真っ暗になった窯を後にしました。
買いつけてきたものは、販売の準備ができ次第改めてご案内いたします。
今回は実店舗だけでなく、
オンラインショップでも少しご紹介できたらと考えています。
ぜひお楽しみに。