1日をごきげんにはじめる!仕込み上手な朝ごはん
2024年5月公開
元気とやる気を引き出す
タンパク質朝ごはん
田内しょうこさんに教わる
「溶くだけ味噌汁」
タンパク質朝ごはん
「溶くだけ味噌汁」
なんだか気力が湧かない、疲れを感じる……といったことはありませんか?
1日を元気に過ごすために必要なのが、タンパク質。
筋肉量を維持、増加させ体力がつくことで気力も充実し、日々のやる気に繋がります。
ところがタンパク質は摂り貯めができないので、3食でバランスよく
そして朝食からもしっかり摂ることが重要なのだとか。
今回は、料理研究家の田内しょうこさんに、
タンパク質が摂れて、お湯を注ぐだけででき上がる具だくさんの
「溶くだけ味噌汁」を教わりました。
乾物をたっぷり使う自家製「味噌汁のもと」からつくります。
1日に必要なタンパク質は、体重1kgにつき約1g。
体重50kgの人だと1食で15~20gほど摂りたいところ。
そこで、「具だくさん卵かけご飯」も添えました。
朝からお肉をたくさん食べるのはなかなか大変ですが、
味噌汁と卵かけご飯なら、さらさらっと食べやすいはず。
タンパク質朝ごはんで、疲れ知らずの1日をはじめましょう。
教えていただいたのは……
料理研究家
田内しょうこさん
アメリカ・カリフォルニア州の女子大学ミルズカレッジを卒業後、出版社勤務を経て、2009年にフリーに。体にいいものをシンプルに食べること、働く母親のための「シンプルで美味しい子どもごはん」をテーマに料理教室、レシピ開発などを行っています。
著書に「汁かけごはん」(駒草出版)、「時短料理のきほん」(草思社)、「働くおうちの親子ごはん」(英治出版)など。
オフィシャルサイトは、こちらから。
溶くだけ味噌汁
味噌とたっぷりの具材を合わせた「味噌汁のもと」に
朝、お湯を注ぐだけで簡単に具だくさんの味噌汁ができ上がります。
鍋で煮ないことで、沸騰させると死んでしまう
味噌の善玉菌を生きたまま摂り入れられるのもいいところ。
具材は、わかめやとろろ昆布、食感のアクセントになる
シャキシャキとした切り干し大根やつるりとした糸寒天、
タンパク質豊富で、味噌やお湯の水分を吸って食べ応え抜群になる高野豆腐。
どれも乾物を使うので、野菜を洗う手間もなく、日持ちするのもうれしいポイントです。
また、これらの食材は味噌の善玉菌のエサとなる水溶性の食物繊維を含み、
腸内環境を整えやすくしてくれます。
スープジャーに「味噌汁のもと」を入れてお弁当に持っていくのもおすすめです。
仕込み上手のポイント
前日までに味噌と具材を合わせておけば、朝はお湯を注ぐだけで手軽に味噌汁の完成です。
材料
- 【味噌汁のもと(つくりやすい分量、味噌汁約10杯分)】
- 味噌…約180g
- 糸寒天…5g
- 切り干し大根…15g
- とろろ昆布…3g
- 白ごま(すりごまがおすすめ)…大さじ2
- 高野豆腐…10g
- わかめ…5g
- かつお節…2g(または粉末だし…5g)
- 水…40g
- 【溶くだけ味噌汁の材料:1人分】
- 味噌汁のもと…ピンポン玉一つ分(28g)
- お湯…160ml
つくり方
糸寒天はキッチンバサミなどで食べやすい長さに切ります。
切り干し大根はキッチンバサミなどで長さ半分くらいに切ります。
高野豆腐は包丁で食べやすい長さに切ります。1と残りの材料を混ぜ合わせます。
菜箸とへらを使うと混ぜやすいです。完成した「味噌汁のもと」は、冷蔵庫で1ヵ月ほど保存可能です。
お椀に「味噌汁のもと」を入れます。
最初に少量のお湯を注いで溶き、残りのお湯を足して混ぜます。
味噌汁の具材アレンジ
「味噌汁のもと」の具材は、そのまま、またはお湯を加えれば食べられる
野菜や乾物を細かめにして使うのがおすすめです。
「味噌汁のもと」に野菜や豆製品など水気のある食材を入れると
水分が出て日持ちが短くなるので、お湯を注ぐ際にお好みで加えましょう。
おすすめの具材は、小口切りの長ねぎ、ブロッコリースプラウト、豆苗など
すぐに火が通る緑の野菜やミニトマト、ゆでた青菜(ほうれん草、小松菜など)、
豆腐、納豆など。
鍋で煮て、豆腐や卵を加えて具沢山のスンドゥブチゲ風にアレンジしても。
「味噌汁のもと」の夏向けアレンジ
乾物を、みじん切りにしたしそ、みょうが、長ねぎ、にんにく、しょうが
などに置き換えても、暑い時季にさっぱりといただくことができます。
野菜を入れた場合の日持ちは冷蔵庫で2週間程度。
味噌汁以外の楽しみ方もできます。
・水や麦茶を加えて冷汁風の汁かけご飯。
・混ぜご飯にしょうゆの代わりに加えて、香り豊かに。
・納豆ご飯、卵かけご飯などに加えて。
具だくさん卵かけご飯
タンパク質を手軽に摂れる卵かけご飯に、栄養バランスのために食事に取り入れたい
七つの食材の頭文字「まごわやさしい」の食材を加えた栄養満点ご飯。
納豆(「ま」…豆類)、ごま(「ご」)、わかめ、海苔(「わ」…わかめなどの海藻類)、
ねぎ(「や」…野菜)、かつお節(「さ」…魚介類)をのせました。
卵や納豆のつるっとした食感や、ねぎやごまの香りで朝から具だくさんでも食べやすいです。
具はねぎと海苔を切れば、あとはのせるだけ。
忙しい朝にうれしい一品です。
材料(2人分)
- ご飯…2膳(300g)
- 卵…2個
- 青ねぎ…2本(5g)
- 海苔…1/4枚
- 白ごま…大さじ2
- かつお節…2g
- 納豆…1~2パック(80g)
- しょうゆ…適量
つくり方
青ねぎは小口切りにします。
海苔は8mm角くらいに切ります。器にご飯を盛り、青ねぎ、海苔、白ごま、かつお節、納豆、卵をのせます。
中央をあけて卵以外の具材をのせてから、最後に中央に卵をのせるときれいに盛りつけできます。
しょうゆをかけていただきます。
朝食のタンパク質不足が筋力低下の原因に?
タンパク質は摂り貯めができません。
前日に摂ったタンパク質は夜の間に消化されるため、
その日の活動をはじめるのに必要なタンパク質を朝から摂る必要があります。
タンパク質が足りないまま1日の活動をはじめてしまうと、
タンパク質を筋肉などから補おうとして筋力低下につながることに。
将来的にフレイル(筋力や心身の活力が低下し、介護が必要になりやすい状態)
などを予防するためにも、朝食でタンパク質を摂ることを意識しましょう。
目安は、体重1kgにつき約1g。
体重50kgの人なら、朝食で15~20gのタンパク質を摂るようにしましょう。
タンパク質朝ごはんにおすすめの食材
・ご飯1膳…150g(3.8g)
・食パン1枚(6枚切り)…70g(6.2g)
・卵Mサイズ1個…50g(6.1g)
・納豆1パック…40g(6.6g)
・飲むヨーグルト(加糖)…200ml(5.5g)
・ゼラチン2.5gを溶いたコーヒー…150ml(2.5g)
※( )内は含まれるタンパク質量
タンパク質が足りないときにおすすめの間食
・蟹風味かまぼこ…6g(0.7g)
・プロセスチーズ…15g(3.4g)
・ヨーグルト(無糖)…180g(6.5g)
田内さんの器選び
和食を引き立ててくれるシンプルな器を選びました。
味噌汁をよそった汁椀は、ころんとした丸みのあるかたちが魅力的で、
拭き漆のつるりとした感触も心地いいです。
卵かけご飯の飯碗は、落ち着いた色味の側面の縞模様に惹かれました。
直径が広いので、たくさんの具材も盛りつけやすいのもポイントです。
ぬか漬けに選んだ薄いブルーグレーの輪花皿は、
かわいらしいかたちに初夏らしい爽やかな色味で食卓を明るくしてくれます。
器をのせたお盆は汁椀、飯碗、小皿がちょうど収まり、朝ごはんにちょうどいいサイズ。
和を感じる木瓜型も和朝食にぴったりです。
箸、箸置きは明るい色味でシンプルなものを。
お茶を入れたグラスもすっきりとしたかたちで器と馴染みのいいものを選びました。
「味噌汁のもと」を入れた琺瑯の容器は、今回つくった分量にぴったりサイズです。
シール蓋できっちり閉められるので、味噌の保存にも安心して使えます。
1.レクタングル深型 ホワイト S シール蓋付 (野田琺瑯)
2.サビ十草 茶碗 (バーバー/BARBAR)
3.八角輪花皿 小皿 浅葱鼠 (ジコン/JICON)
4.めいぼく椀 絹目拭き漆 中 (薗部産業×cotogoto)
5.KITO 盆 長木瓜盆 大 (四十沢木材工芸)
6.コンパクト オールド 10oz (木村硝子店)
7.印判箸置 縁結び (東屋)
8.はんなり箸 クリームイエロー (公長斎小菅)