1日をごきげんにはじめる!仕込み上手な朝ごはん
2024年3月公開
朝からしっかり、発酵づくしの魚和定食
真藤舞衣子さんに教わる
「鮭の西京焼き」
真藤舞衣子さんに教わる
「鮭の西京焼き」
春は気持ちを入れ替えて、しっかりと朝ごはんを摂るようにしたい……
と思っている人もいるのではないでしょうか。
前日に仕込んでおけば、焼き魚に副菜までついた和朝食も手軽にはじめられます。
そして、朝からしっかり食べても胃腸に負担をかけないためには、
味噌やヨーグルト、納豆やチーズなど腸内環境を整えて消化吸収を助けてくれる
発酵食品を摂り入れるのがおすすめ。
発酵食を得意とする料理家の真藤舞衣子さんに、
「鮭の西京焼き」をはじめ、いろいろな発酵食品を使った副菜と汁物のつくり方を教わりました。
味噌に漬け込んだ「西京焼き」を主菜に、
さっぱりとまろやかな「春キャベツのヨーグルト漬け」と、
だしの具材ごと余さずいただく「具だくさん味噌汁」。
そしてチーズを加えたまろやかな味わいの「納豆のクリームチーズ和え」も添えた
発酵づくしの一汁三菜焼き魚定食です。
朝からきちんと食べるのもいいですし、
ボリュームたっぷりだから、朝食と昼食を兼ねても大丈夫なくらいの和朝食。
朝昼兼用にすれば長時間胃を休めることができて、すっきりと過ごすことができると
真藤さんもおすすめの食べ方です。
教えていただいたのは……
料理家
真藤舞衣子さん
会社勤務を経て京都の禅寺で茶道や畑仕事を1年間学び、その後フランスの料理専門学校リッツエスコフィエに留学。都内の菓子店勤務を経て、赤坂にてカフェ&サロン「my-an」をオープンし、6年半営みます。現在は、山梨と東京で二拠点生活をしながら、レシピ本の執筆やレシピ開発をはじめ、料理教室の主催、テレビやラジオへの出演、発酵料理や食育の講座、店舗プロデュースなど幅広く活動中。2014年に山梨市にて飲食店「Sustainable table “my-an” YAMANASHI」をオープン。
著書に「真藤舞衣子のまいにちおいしい!豆腐と油揚げ」(高橋書店)、「ポリ袋で簡単、おいしい はじめてのみそ作り」、「からだが整う発酵おつまみ 免疫力が上がる、おいしくなる」(ともにエムディエヌコーポレーション)など著書多数。
オフィシャルサイトは、こちらから。
鮭の西京焼き
鮭をほんのり甘みがありまろやかな西京味噌の味噌床に漬け込んで、
香ばしく焼き上げる西京焼き。
しっかりと味が浸み込んで、シンプルな塩焼きなどとは一味違う奥深い味わいです。
味噌床は甘すぎず魚の美味しさを引き立てる配合です。
手軽にフライパンで焼くから、魚焼きグリルの掃除などの手間もありません。
また、魚は鮭以外にもさばや、春はさわらなどでつくっても美味しくでき上がります。
仕込み上手のポイント
前日から鮭を味噌床に漬け込んでおけば、
朝にはしっかり味が浸み込み、しみじみとした美味しさに。
材料(2人分)
- 鮭の切り身…2切れ(160g)
- 西京味噌…100g
※お好みの味噌でも代用可能です - 酒…大さじ1
- みりん…大さじ1
- 塩…適量
つくり方
鮭に軽く塩を振ります。
西京味噌、酒、みりんを合わせます。
1に2を塗り、よく漬かるようにビニール袋に入れて口を縛り、一晩~半日ほど漬け込みます。
油をひいて予熱したフライパンで、中火でほどよい焼き色がつくまで両面焼きます。
鮭の味噌が残っていると焦げつきのもとになるので、しっかり拭き取ります。
※魚焼きグリルで焼く場合は、グリルに鮭を並べて、両面にほどよい焼き色がつくまで様子を見ながら焼いてください。
春キャベツのヨーグルト漬け
野菜は生のままより塩揉みすることでかさがぐっと減り、朝からたっぷり食べやすくなります。
春キャベツを発酵食品であるヨーグルトで和えて、腸の働きを助けてくれる副菜に。
爽やかでまろやかな風味に、春キャベツのやさしいシャキシャキした食感や、
みょうがと大葉の香りがアクセントになって、箸休めにぴったりです。
材料(2人分)
- 春キャベツ…1/6個(200g)
- みょうが…2本
- 大葉…5枚
- ヨーグルト…大さじ2
- 塩…野菜の総重量の2%
つくり方
ボウルに春キャベツとみょうがを入れて塩を入れてよく揉んで水気を切ります。
千切りした大葉を入れて合わせたら、ヨーグルトを入れて和えます。
具だくさん味噌汁
豚肉の旨みと菜の花のみずみずしい食感を楽しめる味噌汁。
さらに、だしにいりこや刻み昆布を使えば、一緒に余さずいただくことができて、
栄養も摂れる上にごみにもならず一石二鳥です。
豚肉はビタミンB1が豊富で、糖質をエネルギーに変えるために必要な栄養素なので、
ご飯との相性もぴったり。
また今回は春に旬を迎える菜の花を使いましたが、ほうれん草や小松菜、キャベツなど、
お好みの葉物野菜などを使っても美味しくつくれます。
仕込み上手のポイント
前日にだしの具材を水に浸けておけば、朝はだしを取る手間いらずで味噌汁をつくれます。
材料(2人分)
- 豚こま肉…100g
- 油揚げ…1枚
- 菜の花…半分(80g)
- 水…500ml
- いりこ(煮干し)…6本
- 刻み昆布…5g
- 味噌…適量
- ごま油…大さじ1
つくり方
水にいりこと刻み昆布を一晩浸けておきます。
※いりこの下処理の仕方はこちら。
良質ないりこであれば頭と内臓を取らなくても臭みが出にくいです。
油揚げは短冊切り、菜の花は5cm長さに切ります。
鍋にごま油をいれ、中火で豚こま肉を写真のように色が変わるまでしっかり炒めます。
だしを漬けたいりこと昆布ごと入れて沸かし、油揚げと菜の花を入れ、再度煮立って菜の花がやわらかくなったら火を止めます。
味噌を溶き入れます。
真藤さんの器選び
主役の魚が映える、黒いシンプルなオーバルプレートを選びました。
魚の器が引き締まった色なので、周りはやわらかな印象で、春も感じられるような
やさしい色合いの器にしました。
味噌汁はナチュラルでほっこりした印象の木のボウルに。
丸い器が多いので、コーディネートのアクセントとして、漬け物は八角皿によそいました。
飯碗や納豆を盛りつけた小鉢、湯呑は、やわらかな質感の陶器で、
春らしい生成色のものを選びました。