商品担当のあれこれ日記
2024年1月公開
title:つくり手を訪ねる旅―沖縄編―
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2024年1月26日(金) ~ 2月12日(月)に実店舗で開催するイベント
「読谷やちむん市 in cotogoto」の打ち合わせや、買いつけを兼ねて
沖縄のつくり手を訪ねました。
「読谷やちむん市」は、
陶器をはじめ19もの工房が集まり製作や販売を行う工芸村
「やちむんの里」でも有名な沖縄県読谷村(よみたんそん)で、
毎年2月に開催されている陶器市です。
cotogotoでも2023年2月に、
プロモーションのため「読谷やちむん市 in cotogoto」を開催。
今年も開催することになり、買いつけに行ってきたのです。
今回は旅の様子も交えながら、
イベントで実際に販売する器の一部を紹介します。
長らくお取引をさせていただいている「陶眞窯(とうしんがま)」。
近年、大変需要が高まり、生産が間に合っていない状況が続いていますが、
今回はイベント用に特別に直売所に並んでいるものを
少し譲っていただきました。
普段はお取り扱いがない柄やかたちのものが並びます。
独特の柄が楽しい「比嘉(ひが)工房」。
「やちむんの里」のはじまりでもある、
1980年に開かれた「読谷山窯(よみたんざんがま)」の
大嶺寶清(おおみねじっせい)さんのもとで修行をされた、
比嘉稔(ひがみのる)さんの工房です。
他のやちむんと並べても存在感があり、
すでにやちむんを持っている方にもおすすめです。
当店での取り扱いははじめてですが、
個人的に愛用をしている「漂窯(ひょうがま)」。
「読谷山窯」の流れを汲み、
1992年に四つの工房が共同の登り窯として開窯した「北窯」の
「松田共司(まつだきょうし)工房」で10年修行後に独立された、
畑田(はただ)耕介さんの工房です。
今回はじめて工房に伺うことができ、
長らく愛用している器のつくり手に会えて感激でした。
伝統的な「点打ち」という技法の丸い模様が特徴の、愛着が湧く器です。
陶芸家で、沖縄県初の人間国宝に選ばれた金城(きんじょう)次郎氏の孫、
宮城三成(みつなり)さんの工房「陶芸宮城」。
金城次郎氏が得意だった、
線を彫って模様を描く「線彫り」という技法で表現された
魚や沖縄の植物も見どころの工房です。
あまり東京では見かけないですが、
伝統と宮城さんの個性が合わさった器を少し譲っていただきました。
色とりどりのやちむんが多い中で、
「180+(ワンエイティープラス)」のシンプルな器も買いつけました。
「やちむんの里」の共同窯・北窯の
「與那原(よなはら)工房」で修行をされたのちに独立された、
ポープ奈美さんの工房。
シンプルですが、沖縄のサトウキビを使った釉薬など、
沖縄の自然の素材を使っていて、「こんなやちむんもいいな」と感じた器です。
琉球ガラスの「ガラス工房清天」の商品も買いつけました。
読谷村はやちむんの工房だけでなく、琉球ガラスの工房もある、
魅力的なところです。
ぽってりとしたガラスは日常使いにぴったりで、
「まだ寒いと思いながらも、あと2ヵ月もすれば出番が多くなるはず」と思い、
たくさん買いつけました。
やちむんと合わせて食卓で並べるのもおすすめです。
今回紹介したところ以外にも伺うことができ、なんと買いつけた数は計400点!
一斉に店頭に並んだ姿は楽しいだろうなと思いながら買いつけたので、
ぜひイベントに遊びにいらしてください。
■おまけ
今回の旅では、買いつけだけでなく、ものづくりを学ぶ機会も多くありました。
琉球ガラスの作家さんの工房では、つくり方を聞いていると、
チョークでわかりやすく解説をしてくれました。
単色に見えるグラスも、
実は透明なガラスと、色がついたガラスが使われているそう。
色がついたガラスだけだと、でき上がりが濃すぎてしまうということで、
「なるほど、それで透明感があるグラスができるんだな」と勉強になりました。
「榮一(えいいち)工房」では絵付けを見させていただきました。
「筆を動かして描いているんじゃないんだよ、器を動かして描くんだよ」と。
沖縄の絵具はドロドロだからということでした。
できあがったものを見ただけでは分からない、
その土地ならではの技法にも感動をします。
何をつくっているでしょう?
実はこれ、石でできたシーサーの工房です。
「カンッ、カンッ」とノミと金槌で成形していく様子が迫力ある工房でした。
こちらのシーサーは、また別のイベントで2月にお披露目するのでお楽しみに。