1日をごきげんにはじめる!仕込み上手な朝ごはん
2023年9月公開
みずみずしい新米をとことん美味しく
しらいのりこさんに教わる
「白ご飯」
しらいのりこさんに教わる
「白ご飯」
待ちに待った新米が出回る季節。
この時季だからこそ、ご飯が主役の朝ごはんはいかがでしょうか。
美味しいお米の炊き方やご飯に合うおかずを発信している
お米料理研究家のしらいのりこさんに、
新米の美味しさをとことん味わうための「白ご飯」と、
ご飯を引き立てる「玉子のだし浸し」、「豆腐と豆乳の味噌汁」を教わりました。
ふっくら、もちもちのご飯を朝から思い切り味わって、
1日を幸せな気持ちでスタートしてみてはいかがでしょうか。
教えていただいたのは……
お米料理研究家
しらいのりこさん
米農家出身のシライジュンイチさんとともに、夫婦でご飯好き炊飯系フードユニット「ごはん同盟」として活動。書籍や雑誌、料理番組などで、美味しいご飯の炊き方やお米料理、ご飯に合うおかずなどのレシピを提案しています。
著書に「ごきげんな晩酌 家飲みが楽しくなる日本酒のおつまみ65」(山と渓谷社)、「ポリ袋でレンチンおかず 電子レンジでこんなにおいしい!」(主婦の友社)など。
公式サイトは、こちらから。
白ご飯
しらいさんが新米の時季に一番おすすめしている食べ方が、「白ご飯」。
みずみずしいお米そのものの美味しさを余すことなく味わうため、
あらためて、しらいさんにご飯の美味しい炊き方を伺いました。
仕込み上手のポイント
前日から冷蔵庫で時間をかけてゆっくり浸水させておくことで、
朝は炊くだけでふっくらとしたご飯のでき上がり。
冷蔵庫で浸水させることで、ゆっくりと水が浸み込み、
米の中心部まで水が行き届いて、芯までやわらかい炊き上がりとなります。
また、冷たい水から炊くと、お米に含まれる酵素の働きででんぷんの糖化が進み、
より甘みが引き出されます。
材料(2人分)
- 新米…3合
- 水…3カップ
※水の適量は、使用する炊飯道具によって異なります。説明書などに記載の分量に従ってください。 - [新米について]
10月初旬頃から出回りはじめ、11月中旬ごろには様々な品種のお米が出揃います。
お米は精米したてが美味しいので、精米年月旬が近いものを選ぶのがおすすめ。
2週間から1ヵ月で消費できる量を買うといつでも、おいしいごはんをを楽しむことができます。
また、収穫から1年以上たった古米が残っている場合は、
新米を優先して先に食べるのがおすすめです。
残った古米は米粒がしっかりしているので、寿司飯や炊き込みご飯にすると美味しくいただけます。
つくり方
米を研ぎます。ボウルに米と浸かる程度の水を入れて1回さっと洗ったら、水をきります。
手をソフトボールを握る様に広げ、米同士がこすり合うように10回研ぎ、水を足してすすぎます。
再び10回研ぎ、水を入れてすすいで、米が透けて見えるようであれば完了です。
ザルにあげて20~30秒ほど置き、汚れた水を完全にきります。
保存容器やボウルなどに入れて分量の水に浸し、冷蔵庫で2時間~一晩置きます。
新米でも、基本的に通常通りの火加減と水分量で炊いてみて、やわらかいようであれば水を少し減らすぐらいの調節で十分。
収穫してから時間が経つにつれ米の組織が安定してくるので、年内のうちは水加減を調節し、年を越したら通常の水加減というのを目安に、ご自身のベストを炊きながら探ってみてください。
水ごと米を土鍋に入れて、鍋から火がはみ出ないような火加減で13~14分加熱し、沸騰したら火を止め、蓋をしたまま20分蒸らします。
※今回は「かまどさん 三合 (長谷園)」を使用。
※炊飯道具によって炊飯の方法は異なりますので、火加減や加熱時間はお使いの道具の説明書などに従ってください。杓文字で十字に切り込みを入れた後、1/4ずつ返すように、さっとほぐします。
ご飯を炊く鍋について
【土鍋の場合】
やわらかい炊き上がりに。
お米をごはんに変化させるためには、沸騰に近い温度で約20分間の加熱が必要です。
土鍋は一般的な金属鍋よりも蓄熱性が高く、内部の温度を高く保つことができるので、
でんぷんの糖化が進み、甘みが引き出された粘りの強いごはんが炊けます。
また、レシピで使用した「かまどさん (長谷園)」は
火加減いらずで失敗しにくいのでおすすめです。
【金属製の鍋の場合】
蓄熱性の高さは「土鍋>鉄鍋>アルミ鍋」の順となり、
金属製の鍋の場合、土鍋に比べると少しかための炊き上がりになります。
特にアルミ鍋は、ねばりが少なく、粒立ちのいいごはんが炊けます。
玉子のだし浸し
だし巻き玉子をさらにだしに浸した、しっとり、うまみあふれる玉子焼き。
しらすとねぎも加えて風味のアクセントに。
たっぷりだしを吸ったやわやわの玉子焼きは、
みずみずしい新米と食感が近く、相性抜群です。
仕込み上手のポイント
前日にだし巻き玉子を焼いて、だしに浸しておけば、朝は食べやすい大きさに切るだけ。
材料(2人分)
- (漬け汁)
- だし…大さじ4
- 薄口しょうゆ…小さじ1
- (卵液)
- 卵…3個
- だし…小さじ2
- 砂糖…小さじ1
- 万能ねぎ(小口切り)…大さじ1
- しらす…20g
- 油…適量
つくり方
漬け汁の材料をあわせておきます。
(あわせだしのとり方はこちら)卵液の材料をボウルに入れて、よく混ぜます。
万能ねぎ、しらすを入れて混ぜ合わせます。
玉子焼き用のフライパンに薄く油をひいて弱めの中火で熱し、卵液の1/4量を流し入れ、手元に向かって巻き、玉子焼きを反対側へ寄せます。
これを4回繰り返します。でき上がっただし巻き玉子を保存容器に入れ、1をかけて冷蔵庫で保存します。
豆腐と豆乳の味噌汁
豆乳を加えたコクたっぷりの味噌汁。
あさりとしめじからだしがよく出ているから、白ご飯が進みます。
さらにやわらかな豆腐も入って、朝のお腹にやさしいのもうれしいです。
仕込み上手のポイント
前日にあさりの砂抜きをしておけば、翌朝は材料を切って煮るだけで完成です。
材料(2人分)
- あさり…100g
- 絹豆腐…1/2丁(200g)
- 長ねぎ…1/2本(30g)
- しめじ…1/4パック(50g)
- だし…2と1/2カップ(あわせだしのとり方はこちら)
- 豆乳…1/2カップ
- みそ…大さじ3
つくり方
あさりの砂抜きをします。
ボウルにざるをセットし、水400mlに塩小さじ1/2(分量外)を溶かした塩水に、洗ったあさりを入れて蓋をし、冷蔵庫で一晩保存します。
(砂抜きについて詳しくはこちら)
豆腐は半分の大きさに切ります。
長ねぎは7mm幅程度の斜め切りにします。
しめじは石づきを取り、小房に分けます。
(しめじの下ごしらえの仕方はこちら)鍋にだしを入れ、沸騰したらあさりを加えます。
あさりの蓋が開いたら、豆腐を大きめの一口大に手で崩し入れます。豆乳を加えて少し温め、みそを溶き混ぜます。
しらいさんの器選び
和食に合う落ち着いた佇まいの器を、大きさにもこだわって選びました。
ご飯は、小さめの飯碗にこんもりと盛りつけることで美味しそうに見えます。
また、盛る量が少なめになるので、冷めないうちに食べきることができます。
たくさん食べたいときはお代わりでほかほかのご飯をいただくのがおすすめ。
「玉子のだし浸し」をよそった角皿は、汁気のあるものを盛りつけやすい
縁の立ち上がりがあるものを選びました。
小さすぎず、大きすぎない絶妙なサイズなので、
他にも切り身の魚、漬け物など、朝ごはんのおかずに使いやすそうです。
味噌汁のお椀は大ぶりなものを。
朝ごはんにたくさんのおかずを用意するのは大変だと思うので、
その分味噌汁は具だくさんにして、大きめのお椀でいただくのがおすすめです。
拭き漆の落ち着いた印象も、和の朝ごはんを素敵に引き立ててくれると思います。
箸置きは、和食器に馴染むすっきりとシンプルなものにしました。
- 白磁八角長皿 (九谷青窯)
- 飯碗 灰釉 (佐藤大寿)
- めいぼく椀 絹目拭き漆 大 (薗部産業×cotogoto)
- 印判箸置 縁結び (東屋)