cotogotoスタッフの愛用品じまん
スタッフが日々愛用している道具への愛を、
独断と偏見を交えながらご紹介!
2022年7月公開
キッツさんの愛用品
こんにちは、cotogotoのキッツです。
長皿が欲しくてずっと探していた私が、
cotogotoで働きはじめて最初に買ったのが
「東屋」の「木瓜(もっこう)角皿 長角」でした。
全体的に角が尖った長方形が多い長皿の中でも、
曲線的でやさしい印象に惹かれて「木瓜角皿 長角」を
以前からチェックしていたんです。
「木瓜角皿」には正方形の「正角」と長方形の「長角」がありますが、
1人分の焼き魚や数種類のおつまみを並べたかったので
夫と私に1枚ずつ「長角」を購入しました。
家に迎え入れてから実感したのは、
活用できるシーンが思っていた以上に幅広いということ。
木瓜のかたちのおかげで普段の食事に、
さりげなく華やぎが加わるのもうれしいです。
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好きなところ その1
角の装飾と質感私の好きな器、よく使う器を思い浮かべてみると
素朴でシンプルなものが多いようです。
ぽてっと厚手で手仕事の跡が感じられるような陶器や
かたちに揺らぎのあるガラスのボウル、
一つ一つ木目が異なる木製のお椀などを愛用しています。
手仕事感や素材感溢れる器が多いので、
その食卓にしっくり馴染む長皿がいいなと思っていました。
でも、いざ探してみると、
角がキリッとして近寄り難い印象だったり、
描かれている模様がかわいすぎたりするものが多くて……。
どこか私の思い描いている姿とは違って、
ピンとくるものには出会えていませんでした。
一方で、いつか欲しいと考えていたものに木瓜皿があります。
木瓜皿は伝統的な器のかたちの一つで、
木瓜(ぼけ)の花をイメージしてつくられています。
普段使いにも適していて、ハレの日の食卓にも
さり気ない華やかさを添えてくれるかたちが気になっていて……。
花びらをかたどるようにカーブを描く縁は、
普段のご飯も、おもてなしのお菓子や特別な日の料理だって
素敵に演出してくれそうだなって思っていました。
▲全体的に曲線でつくられることが多い木瓜皿を、
より直線的にデザインした「東屋」の「木瓜角皿」。
四隅の窪みに木瓜の花のモチーフを感じられ、長角皿でありながらやさしい雰囲気。▲少し青みがかった白色にも、灰色にも見える地色は熊本県で採取された天草陶石に、木灰を使った「土灰釉」を施すことで表現されています。
所々に表れる黒点や、ざらりとした質感が器に表情を与えています。そうして出会ったのが「東屋」の「木瓜角皿 長角」。
私の探していた長皿と木瓜皿どちらの要素も含まれていて、
しかもとてもきれいな佇まいだなと目を惹きました。
長皿というポイントは押さえながら、角に切れ込みが入って、
それが緩やかに木瓜の花びらのカーブにつながっている。
キリリとカッコよくなりすぎず、やさしさも感じられるのが好印象でした。
他にも釉薬の質感も親しみやすくて気に入ったポイントです。
白磁ですが、真っ白すぎないところ。
ブルーグレーがかった地色に、
ところどころポツポツと黒点が混じるところとか。
普段の食卓には、そんな肩肘張らない器が馴染むみたいです。
かといって、カジュアルな印象が強すぎると
ハレの席に似合わなくなってしまうので、
そのバランスのいい中間点にまさに収まってくれたんです。
▲塩豚などのシンプルな料理でも、木瓜の縁のあしらいのおかげで華やかな印象に。
普段は夫と私それぞれのおかずを盛る器として使っています。
焼き魚や、副菜などを数品盛り合わせるのも似合います。
あとは低温調理器でローストビーフや塩豚、
チャーシューなどをよくつくるのですが、
肉料理は彩りが少なく、盛りつけが単調になってしまいがち。
でもスライスして盛りつければ、木瓜の縁のあしらいのおかげで、
どこか華のある美しい佇まいになってくれるんです。
cotogotoのホームページに
和・洋・中どの料理にも合う、と書いてありましたが、
実際に使ってみて、本当にその通りだと実感しています。
肉料理と同様に、カプレーゼや焼いただけの野菜など、
素材のよさをそのままに味わうシンプルな料理も、
木瓜の縁のあしらいが華を添えてくれます。
それに、ブルーグレーがかった地色が、
鮮やかな色合いの中華やこってりした洋食の存在感にも負けることなく、
料理を引き立ててくれるんです。
この守備範囲の広さには、器は使い勝手重視の夫も満足してくれています。 -
好きなところ その2
盛りつけのしやすさ私が長皿に興味を持ったきっかけは、盛りつけがきれいにできると
「暮らしの道具、徹底比較コーナー 長皿編」で知ったから。
もともと盛りつけは苦手だったのですが、
長皿なら端からぽんぽんと並べていくだけで様になると紹介されていて、
「これはいい!」と思ったんです。
使ってみると、確かにその通りでした。
複数のおかずを盛り合わせるときは、
丸いお皿だと空いたスペースとのバランスを考えなくてはいけないけれど、
長皿の場合その心配は一切無し。
そしてもう一つ、盛りつけの苦手だった私にとって
大助かりなのが、見込みの内側にある線。
「木瓜角皿」の底面には、
リムが立ち上がる起点をなぞるように段差ができています。
そこを境界線として、内側に料理を収めるように盛りつけると
全体がきれいに見える、というのが私の学んだコツ。
そうは言っても、境界線をモリモリっと飛び出した
元気な盛りつけも、ちゃんと美味しそうに見えるんですけどね。
それに縁の高さがあるおかげで、多少汁気のあるものもこぼれないので、
盛りつける料理を選ばないところも気に入っています。
盛りつけに自信のない人ほど、
このような目印や盛りつける料理を選ばないでいいのは
うれしいポイントだと思います。
▲寿司8貫を盛った様子。
ぎゅうぎゅうに盛りつけても、縁が緩やかなカーブを描いているおかげで、
縁との間に余白が生まれ、ゆとりがある印象に。それに加え、使いはじめて気がついたのが、
「木瓜角皿 長角」は器自体それほど大振りではないのに、
たくさん盛っても、窮屈さや無理矢理感がないということ。
例えばお寿司8貫ほどをぎゅうぎゅうに盛りつけても、
料理を引き立てつつ、器にもしっかり余白があって
きれいな盛りつけに自然となっているんです。
なんでかな、と考えたのですが、
きっと縁の緩やかなカーブのおかげだと思います。
縁が直角で垂直に立ち上っているとしたら、
際まできちきちに料理を盛りつけると余白がなくなり、
窮屈な印象になってしまいます。
反対に縁がないと、今度はこぼれてしまわないかハラハラしそうです。
縁が緩やかに立ち上がる「木瓜角皿」は、
中身がぎゅうぎゅうに盛りつけられていても、
縁との間には常に隙間があって料理も潰れず、ゆとりが保たれている印象。
たくさん盛っていても、角の装飾が損なわれることもないので、
その印象に一役買ってくれている気がします。何を、いくつ、どんな風に盛りつけるか
こちらが考えることなくしてさらりと収めてくれる「木瓜角皿 長角」。
和・洋・中、どのメニューでも、
もしくは取り混ぜての盛り合わせでも、
並べてみるとすっきり収まってしまうから不思議です。
普段の食卓の盛りつけの悩みから解放され、
それでいて、よそ行きの演出にも応えてくれる頼りがいもある。
日常の食卓とハレの席、どちらもこなせるお皿なんて、
高望みのような気もしていましたが、
出会えてとてもよかったなと大満足しています。