2020年12月公開
近年、国内での生産が盛んになりつつあるレモン。
旬である12月から3月にかけて、
瑞々しい獲れたてのものを多く見かけるようになりました。
そんなフレッシュなレモンの美味しさを堪能でき、
果肉も活用する「レモンシロップ」を、
フードスタイリストのダンノマリコさんに教わりました。
アレンジレシピは、
レモンの香りと酸味が際立つ甘さ控えめの「レモンチーズケーキ」と、
同じく旬の大根を使う「大根のレモンシロップマリネ」をご紹介します。
疲労回復・免疫力向上に役立つレモン
レモンには、酸味の主成分であるクエン酸や、
ビタミンCが豊富。
どちらも疲労回復や免疫力向上効果があるため、
風邪の予防に役立ちます。
皮部分に苦味があるため、果肉や果汁を絞る際は
なるべく皮を傷つけないようにすると、
すっきりフレッシュな味わいに仕上がります。
教えていただいたのは…
フードスタイリスト ダンノマリコさん
フードコーディネーターのアシスタントを6年間務めた後、独立。栄養士の資格も持ち、本や雑誌などでのスタイリングだけでなく、料理も担当。「保存びんに、季節とおいしさ詰め込んで。」(主婦の友社)、「持ちよりゴハン」(学研プラス)、「たのしい おいしい とうふの本。」(朝日新聞出版)など、自身で料理を担当する著書も多数。自宅近くの子どもたちを集めて一緒に料理をつくる会や、魚にまつわる料理教室「ミナトゴハン」も開催。目下、市場や漁港を訪ねて魚介を使った家庭料理や保存食を探求中。活動情報はこちらから。
材料(つくりやすい分量/
完成量300ml)
- レモン(果肉と果汁)
…220ml(7~8個分) - 氷砂糖…110g
(レモンの重さの50%)
1.レモンは横半分に切り、竹串などで大きな種を取り除いてから、小さなスプーンでレモンの果肉と果汁をすくい出します。苦味が出るので、皮は使いません。
2.果肉が皮に残っていたら軽く絞り、種が入ったら取り除きます。苦味が出るのでジューサーなどは使わず、強く絞り過ぎないようにします。果肉と果汁の重さを量り、その50%分の氷砂糖を用意します。
3.2の果肉と果汁、氷砂糖をすべて一緒に瓶に入れます。
4.ときどき瓶の上下にかえすように混ぜ、氷砂糖が溶けるまで1~2日置きます。
5.氷砂糖が溶けたら完成です。冷蔵で1ヵ月保存が可能。ドリンクにする場合は、6~7倍に希釈するのがおすすめです。
ダンノさんが選んだ器は…
マグカップ 小 白(ジコン/JICON)
生成りに近いやさしい白色の、取っ手のカーブが優美なマグカップ。「寒い季節はホットレモンがおすすめです。熱々を飲むにはマグカップがぴったり。『ジコン』の『マグカップ』は、マットな質感が可愛く、白色なのでレモンの淡い色合いも楽しめます」
卵白を泡立ててつくる、ふわっとした食感のチーズケーキです。
通常香りづけとして使うレモン果汁を「レモンシロップ」に。
たっぷり使うことでレモンの香りと酸味が際立つ
爽やかなチーズケーキに仕上がります。
焼き立ての熱々が美味しいので、
そのまま食卓に出せる耐熱皿でつくるのがおすすめです。
材料(1人分)
- クリームチーズ…40g
- 卵黄…1個
- 生クリーム…大さじ2
- 「レモンシロップ」
…大さじ2 - 薄力粉…大さじ2
- 卵白…1個分
- 上白糖…大さじ1
- 粉糖…適量
※写真は2人分
つくり方
1. 湯煎用のお湯を沸かし、オーブンを140℃に予熱します。
2. ボウルに室温に戻したクリームチーズを入れ、クリーム状になるまでゴムベラで練ります。
3. 2に卵黄を2~3回に分けて加え、その都度滑らかになるまで混ぜます。
4. 3に生クリーム、「レモンシロップ」の順に加えて混ぜ、小麦粉をざるで振るい入れます。粉が見えなくなるまで混ぜます。
5. 別のボウルで、卵白に上白糖の半分を加え泡立てます。白く泡立ってきたら残りの上白糖を加え、ホイッパーを持ち上げたときに小さく角が立つまで泡立てます。
6. 4に5の1/2量を加え混ぜ、馴染んだら残りを合わせてしっかりと混ぜます。
7. 器に移し表面を整えたら、お湯を張った天板にのせ、140℃のオーブンで25分焼きます。さらに170℃に上げて、焼き色がつくまで5~10分様子を見ながら焼きます。仕上げにお好みで粉糖を振ります。
ダンノさんが選んだ器は…
ノーチェ 5.5インチスフレ 黄・黒(フォースマーケット)
土鍋で知られる萬古焼(ばんこやき)の、直火やオーブンでも使用できる耐熱陶器。「熱々を食べると美味しいので、オーブンで使える耐熱の器を選びました。『スフレ』なら1人前ずつにちょうどいいサイズです」
酸味と甘味のバランスのいい「レモンシロップ」は、
料理にも活躍してくれます。
瑞々しく甘味が増した旬の大根と合わせれば、
オードブルや箸休めにぴったりのマリネに。
彩りのいい野菜やスモークサーモン、ハーブなどを添えれば、
パーティメニューにもぴったりです。
材料(4人分)
- 大根…φ8cmの大根10cm分
(400g) - パプリカ(赤・黄合わせて)
…1個分(140g) - 塩…小さじ1
- 「レモンシロップ」
…大さじ3 - 「オリーブオイル」…適量
- ディル…適量
- スモークサーモン…適量
つくり方
1. 大根とパプリカは角切りにしてポリ袋に入れ、塩をまぶして2~3時間置きます。余裕があれば一晩塩漬けにすると「レモンシロップ」とよく絡み、歯応えも増します。
2. 水気が出たら「レモンシロップ」を加え、さらに2~3時間置きます。
3. 器に盛り、オリーブオイルを回しかけ、お好みでディルとスモークサーモンを飾ります。
ダンノさんが選んだ器は…
汲出し kumidashi S
rei-cha glass S
(イイホシユミコ)
「イイホシユミコ」さんの「kumidashi」と、そのかたちを模したグラスの「rei-cha glass」。「12月なので、少しおもてなし感のあるスタイリングを意識しました。薄くてパーティ感のある器を、磁器とガラスを交互に使うとインパクトが出るんです。どちらも飲み物用の器ですが、1人前の小鉢としてもぴったりのサイズです」
今回をもちまして「保存食暦」の連載は一旦終了となります。
これまでのご愛読、誠にありがとうございました。