【葉月】稲垣晴代さんに教わる「なすのスパイシーマリネ」 | 保存食暦 | cotogoto コトゴト
11/22(金)システムメンテナンスのお知らせ
シェアする:
シェアする:
下地01
季節の恵みを大切にいただく、保存食暦

2020年8月公開


6月から9月にかけて旬を迎える夏野菜の一つ、なす。
低温に弱く、冷蔵庫に入れると種が黒くなったり皺が寄ったりしてしまうので、
新鮮なうちに保存食に仕立ててしまうのをおすすめします。
なすは油と一緒に加熱すると、とろりとジューシーに。
そこで、料理研究家・稲垣晴代さんに、
スパイスとお酢を活用した夏にぴったりの
「なすのスパイシーマリネ」を教わりました。
加熱することで酸味は甘くやわらかくなり、スパイスもほどよくマイルドに。
子どもでも食べられる、ごはんにもパンにもパスタにも合う、
甘酸っぱいマリネに仕上がります。

アレンジレシピは、
旬の桃とフレッシュにいただく「なすと桃の冷製カッペリーニ」と、
マリネを調味料のように利かせる「なすと牛肉のメンチカツ」をご紹介します。

アレンジレシピのつくり方を見る


 

旬の食材のこと

旬の食材「ふき」
味や油が染み込みやすい、なす

なすは、果肉がスポンジ状でやわらかく、
全体の9割以上が水分です。
加熱すると油が染み込みやすい性質があるので、
あっさりいただきたいときは漬物や
シンプルに焼いたり蒸したりし、
ボリュームを出したいときは油を使った調理法を。
またなすの皮には、強い抗酸化作用のある
ナスニンという成分が豊富に含まれているため、
皮ごと調理するのがおすすめです。

稲垣晴代さん
教えていただいたのは…

料理研究家 稲垣晴代さん

調理師学校卒業後、飲食店勤務、カフェ料理長を経て、2005年フードケータリングユニット「MOMOE」を結成。自然栽培や有機栽培の野菜を素材に、化学調味料を使わない、色・味・香り豊かな料理が人気を集めています。著書は、「サラダみたいに作る、楽しむピクルス&マリネ」(グラフィック社)、「MOMOEの作りおき―1つの食材で作る小さいおかず―」(宝島社)など。オフィシャルサイトは、こちらから。



 

「なすのスパイシーマリネ」のつくり方

用意するもの

用意するもの
材料(つくりやすい分量/
完成量約1kg)
  • なす…8~10本(750g)
  • 塩…大さじ1
  • にんにく(みじん切り)
    …大さじ2(30g)
  • 生姜(みじん切り)
    …大さじ2(30g)
  • 菜種サラダ油…200ml
  • カレー粉…大さじ5
  • チリパウダー…小さじ2
  • 酢…200cc
  • きび砂糖…大さじ5
  • マスタードシード(イエロー)
    …大さじ2

つくり方

切る

1.なすはヘタを取って一口大の乱切りにします。

塩もみ

2.1に塩を振って揉み、20分ほど置きます。

【ポイント】
なすを脱水することで、油や味が入りやすくなります。下味もつくため、この後調味としての塩は入れません。

香りを立てる

3.フライパンに油とにんにく・生姜を入れ弱火にかけ、香りが立ってきたらカレー粉とチリパウダーを入れ1分炒めます。

なすを絞って加える

4.2の水気を絞って3に加え、油を吸わせるように中火で炒めます。

調味料を加える

5.なすに火が通りやわらかくなったら、酢と砂糖、マスタードシードを加え、ときどき返しながら中火で3分ほど煮ます。

完成

6.なすがとろっとしてきたら火を止め、粗熱が取れたら保存容器に。なすが油に浸った状態で、冷蔵で2週間保存が可能です。

稲垣さんが選んだ器は…

木瓜長鉢 青白 5寸(瑞々)

花のようなかたちの横長の鉢。「シンプルな料理でも映える、変わったかたちの器に惹かれます。深さがあるので汁気のあるマリネが盛りつけやすく、青白がナスの黒色と合うのではと選びました。オイルが器にそって花のかたちに見えるのもかわいらしいですね」

 




なすと桃の冷製カッペリーニ

夏が旬の桃をごろんと大き目にカットして、
「なすのスパイシーマリネ」と合わせて極細パスタ・カッペリーニに絡めます。
桃のやさしい甘さと香り、マリネのとろりとジューシーな味わいが瑞々しく、
食欲が落ちがちな暑い季節にうれしい一品です。
カッペリーニはそうめんでも代用可。

材料(1人分)
  • 「なすのスパイシーマリネ」
    …大さじ4
  • 桃…1個(220g)
  • 塩…小さじ1/3
  • オリーブオイル…大さじ2
  • カッペリーニ…70g
  • バジル…4~5枚
つくり方

1. カッペリーニを表示通り茹で、冷水で冷やしで水気をよく切ります。

2. ボウルに一口大に切った桃とオリーブオイル、「ナスのスパイシーマリネ」をオイルごと入れ、よく混ぜて塩で味を調えます。

3. 器に盛り、バジルを添えます。



稲垣さんが選んだ器は…

サビ十草 大皿(バーバー/BARBAR)

江戸時代から愛されてきた十草(とくさ)模様を、サビ絵具を使って手書きで施された皿。「土っぽい器も好きで、中でもこれは縁の模様がなすに合いそうだと思いました。和の器ですが、洋風にも似合いますね。『大皿』のサイズがパスタにぴったりです」

なすと牛肉のメンチカツ

「なすのスパイシーマリネ」を牛挽き肉に混ぜ込んでメンチカツに。
その他調味料は使いませんが、甘酸っぱいマリネによって肉のくさみが消えるうえ、
まるでソースを染み込ませたような味わいに仕上がります。
冷めても美味しいので、お弁当のおかずにもどうぞ。

材料(8個分)
  • 「なすのスパイシーマリネ」
    …大さじ3
  • 牛挽き肉…500g
  • 玉ねぎ(みじん切り)…1/2個分(90g)
  • 卵…1個

  • (衣)
  • 小麦粉…大さじ3
  • 卵…1個
  • 水…大さじ2
  • パン粉…適量
つくり方

1. 「なすのスパイシーマリネ」を粗く刻み、ボウルに牛挽き肉、玉ねぎ、卵と一緒に入れ、よく混ぜます。8当分し、かたちを丸く整えバットに並べ、冷蔵庫で20分休ませます。

2. ボウルに、衣の材料のうち、卵、水、小麦粉を入れよく混ぜます。

3. 1に小麦粉(分量外)をまぶし、2にくぐらせ、パン粉をまんべんなくまぶします。

4. フライパンか揚げ鍋に揚げ油を入れ、170度に熱します。3を入れ4分揚げ、ひっくり返してさらに2~3分揚げます。真ん中が膨らんで来たら中まで火が通っている目安です。

5. 千切りキャベツ(分量外、適量)を皿にしき、4を盛りつけます。



稲垣さんが選んだ器は…

NAMASU チューリップ文輪花(amabro)

江戸時代に広まった、ほどよい大きさと深さのある多様器「なます皿」を現代のデザインで蘇らせた器。「メンチカツが茶色なので、色味のある器がいいのではと思いました。チューリップ柄がかわいらしいです。あまり赤絵の器を使ったことがなかったのですが、メンチカツが華やぎました」












 
シェアする: