2020年1月公開
寒い時期に美味しくなる旬のカリフラワー。
見た目は緑黄色野菜のブロッコリーに似ていますが、こちらは淡色野菜です。
味にクセがなく、こりこりした歯ごたえが後を引きます。
加熱しても損なわれにくいビタミンCが豊富で、酢に漬けても変色しないので、
おすすめの保存方法はピクルスにすること。
管理栄養士の沼津りえさんとスタイリストの沼津そうるさんによる
夫婦フードユニット・阿佐ヶ谷夫婦に、
香りと色も楽しめる「カリフラワーのスパイスピクルス」を教わりました。
ピクルスはいろいろなつくり方がありますが、
今回は白ワインを加え、ピクルス液を煮立たせる正統派洋食屋のつくり方。
酸味がやわらかく、甘みや塩気もまろやかな味わいに仕上がります。
スパイスは、ガラムマサラとターメリックを使用。
ターメリックを入れることで、カリフラワーが黄金色に華やぎ、
肝機能を高める作用もあるので、お正月のごちそう疲れ回復にも一役買ってくれるはず。
マヨネーズを使わない「カリフラワーのタルタルソース」と、
おもてなしの食卓でも活躍する「カリフラワーの洋風混ぜ寿司」もご紹介します。
加熱に強いビタミンCが豊富なカリフラワー
花蕾(カライ)という蕾部分を食すカリフラワーは、
キャベツの仲間で、11月から3月にかけての冬が旬。
加熱しても損なわれにくいビタミンCが豊富なので、
風邪予防や疲労回復に積極的に取り入れたい食材です。
花蕾がかたく締まり、ぷっくりしたものが新鮮です。
変色しやすいので色が白いものを選びましょう。
教えていただいたのは…
フードユニット 阿佐ヶ谷夫婦
東京の阿佐ヶ谷在住。管理栄養士の沼津りえさんが料理、夫でシナリオライターの沼津そうるさんがスタイリングを担当。りえさんは、大手食品メーカーに勤務後、製菓・パン専門学校、老舗洋食レストランでの修行を経て、結婚を機に料理教室「COOK会」をスタート。栄養の知識を活かしつつ、シンプルなのに美味しい一捻りのある料理が人気。10年ほど前から、りえさんの料理本のスタイリングにそうるさんが参加。最近では、健康や食にまつわるコラムの執筆も担当するなど、夫婦二人三脚で雑誌の企画や書籍づくりを行っています。近著は、「低糖質だからおいしい!『おやつ&スイーツ』」(K&M企画室)、「93キロ→68キロ、リバウンドなし! ラクやせ家ごはん」(世界文化社)など。りえさんの公式サイトは、こちらから。
材料(つくりやすい分量/
完成量約700g)
- カリフラワー…1株(400g)
- 酢…1カップ
- 水…1/2カップ
- 白ワイン…大さじ2
- 砂糖…50g
- 塩…小さじ2
- ガラムマサラ…小さじ1/2
- ターメリック…小さじ1/2
- ブラックペッパー…小さじ1/2
- にんにく…1片(10g)
- 赤唐辛子…1本(1g)
- ローリエ…1枚
(ピクルス液)
1.葉の根本に包丁の刃を入れ、葉を落とします。太い茎の中心に向かって刃を斜めにぐるりと360度差し込み、太い茎を取り外します。
2.手で一口サイズの小房に分けます。大きかったら包丁で切って一口大に揃えます。
3.小房に分かれたら、さっと水洗いしをして水気を切ります。水分が残っていると水っぽくなってしまうので、キッチンペーパーなどで軽く押さえてしっかり水気を取ります。
4.鍋にピクルス液の材料を入れ、火にかけ沸騰させます。
5.ピクルス液が沸騰したらカリフラワーを入れます。再度沸騰したら、弱火で2分煮ます。
【ポイント】
カリフラワーは生でも食べられる野菜ですが、日持ちさせるためしっかり火を通します。
6.鍋のまま冷まし、保存瓶に入れます。冷蔵で1ヵ月ほど保存が可能です。
阿佐ヶ谷夫婦が選んだ器は…
bon voyage/プレート S white
(イイホシユミコ)
「旅に持っていく、旅の記憶を持ち帰る」というコンセプトでつくられた取っ手つきのプレート。「少しマットな質感の白色が冬っぽい感じで季節感が出ますよね。ピクルスの黄色も映えます。Sサイズは小ぶりで深さもほどよくあるので、ピクルスを盛るのにちょうどいい大きさ。取っ手がついたユニークなかたちは食卓のアクセントにもなります」
やさしい酸味と甘味の「カリフラワーのスパイスピクルス」は、
ざく切りして茹で卵と混ぜるだけでスパイス香るタルタルソースに。
マヨネーズを使わないから、さっぱり食べられます。
魚や肉のソテーとの相性抜群。
このタルタルソースを添えるだけで、ぐっとごちそう感も高まります。
材料(2人分)
- 「カリフラワーの
スパイスピクルス」…50g - ピクルス液…大さじ2
- 卵…2個
- 生鮭…2切れ(200g)
- 塩、胡椒…少々
- オリーブオイル…少々
- ベビーリーフ…適量
つくり方
1. 卵は少しやわらかめの茹で卵にします。沸騰したお湯に冷蔵庫から出したての卵を入れ、8分茹でます。
2. 1と「カリフラワーのスパイスピクルス」をざく切りにして合わせ、ピクルス液を加えて混ぜます。お好みで、塩、胡椒(分量外)で味を調えます。
3. 鮭は塩、胡椒します。フライパンにオリーブオイルを入れ熱し、両面にこんがり焼き色がつくまで焼きます。
4. 皿に鮭を盛り、2をかけてベビーリーフを添えます。
阿佐ヶ谷夫婦さんが選んだ器は…
オーバルプレート 大 瑠璃釉
(寺村光輔)
栃木県益子町で作陶する寺村光輔さんによる、深い瑠璃色が目を引くオーバルプレート。「鮭の色が映えそうということから、この瑠璃色に惹かれました。単にブルーなだけでなく、素地がところどころ見えて茶色が混ざっている感じがいいですね。かたちも丸みがあって、ぽってりした厚みがあるところが冬らしい感じがします」
「カリフラワーのスパイスピクルス」のピクルス液を寿司酢代わりに使い、
カリフラワー、ハム、チーズを混ぜ込めば、
おもてなしの一品にもなる豪華な混ぜ寿司に。
カリフラワーは刻まずそのままの大きさで使うことで存在感大。
ハムやチーズでボリュームが出た寿司をさっぱりとまとめてくれます。
材料(2人分)
- 「カリフラワーの
スパイスピクルス」…100g - ピクルス液…大さじ3
- ごはん…2膳
- オリーブオイル…大さじ1
- お好みのハム…20g
- プロセスチーズ…20g
- 塩、胡椒…少々
つくり方
1. ごはんにピクルス液、オリーブオイルを回しかけ、切るように混ぜます。
2. 「カリフラワーのスパイスピクルス」、ハム、プロセスチーズを混ぜ込み、塩、胡椒で味を調えます。
阿佐ヶ谷夫婦が選んだ器は…
with4 24plate(イイホシユミコ)
釉薬のかかり具合で現れる濃淡が独特の表情をした、深さのあるプレート。「イイホシユミコさんの器は質感が素敵ですよね。ちょっとマットで、なんとも言えない青みがかったグレーが上品で、料理に合わせたくなります」