管理栄養士・美才治真澄さんに教わる、二十四節気の食べごろレシピ 2019 立秋
2019年8月公開
二十四節気の「立秋(りっしゅう)」を迎え、本格的な暑さがやってきました。
立秋とは「秋立つ」という意ですが、
実際には名ばかりで、この頃が1年で最も暑い時季。
例年より梅雨も長く、比較的涼しい日が続いていたので、
急な暑さに体調を崩している方も多いのではないでしょうか。
そんな方のために、今回は体にやさしいレシピをご紹介します。
立秋の献立
シェントウジャン
(鹹豆漿)
調理時間:10分
212kcal(1人分)
台湾の朝ごはんとして知られている「シェントウジャン」は、
胃にやさしい豆乳スープ。
一口食べると、濃厚な豆の風味が伝わり、ほっとする美味しさです。
旬のみょうがなどの香味野菜の香りや生きくらげの食感が楽しく、
おぼろ状に豆乳がかたまっているので、スープでありながら食べ応えも抜群。
ほんのりと感じられる酢のおかげでさっぱりと、
加えて、ラー油のピリッとした辛さが食欲を刺激するので、
夏バテ対策メニューとしておすすめです。
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材料:2人分
豆乳(無調整)
…3カップ(600ml)
みょうが…1本(20g)
セロリ…茎1/6本、葉2枚(20g)
香菜…2株(10g)
生きくらげ…4個(40g)
桜えび…大さじ2(4g)
ラー油…小さじ2
(A)
ザーサイ(粗めのみじん切り)
…4枚(10g)
薄口醤油…大さじ1
酢…小さじ4
つくりかた
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1.
鍋に豆乳を入れて、中火にかけます。鍋肌まわりの豆乳がフツフツと泡立ってきたら火を弱め、煮立たないように注意しながら5分ほど煮詰めます。
【ポイント】
豆乳は、沸騰させないよう気をつけてあたためましょう。沸騰させてしまうと、最後に豆乳がかたまりにくくなってしまいます。 -
2.
豆乳を煮詰めている間に具材を用意します。桜えびは、フライパンで香りが立つまで空炒りします。みょうが、セロリの茎は小口切り、葉はせん切りに、香菜はざく切り、きくらげはさっと茹でてせん切りにします。
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3.
豆乳がぬるくなってしまわないように、器は熱湯につけるか電子レンジで1~2分加熱してあたため、(A)の半量を入れます。
【ポイント】
豆乳600mlは、5分煮詰めることで約500mlになります。1人分が約250mlなので、容量にあった器を選びましょう。 -
4.
上から1の半量を静かに流し入れます。しばらく置いて豆乳がかたまってきたら、2をトッピングしてラー油をかけます。
【ポイント】
豆乳のタンパク質と酢の酸が反応することで、豆乳がおぼろ状にかたまります。豆乳を注いだら触らずに1~2分ほど待ちましょう。
栄養のまめ知識
*「豆乳」は、消化のよい食品の代表格。これに胃の粘膜を刺激し、胃液の分泌を高める効果のある「みょうが」や「セロリ」、「香菜」などの香味野菜と酸味の「酢」、辛味の「ラー油」を加えたら、理想的な夏バテ対策メニューになります。
まだまだ続く暑さで食欲がわかないときは、無理してスタミナをつける食事をせず、消化のよいものを食べて胃腸を労わりましょう。
*「みょうが」は花穂が引き締まり、先端の紅色が鮮やかなものが新鮮です。シワがよっていたり、表面に傷があるものは避けましょう。
*「きくらげ」は、旬である夏から秋にかけてスーパーなどの店頭に生のものが並びます。乾燥品に比べて肉厚で、プリプリとした食感が特徴です。色が濃く、表面にしっとりとしたツヤのあるものがおすすめ。余ったらキッチンペーパーとポリ袋で二重に包み、冷蔵庫で保存しましょう。4~5日ほど保存できます。同じ方法で冷凍でも1ヵ月程度保存可能です。
美才治 真澄(びさいじ ますみ)
管理栄養士 / フードコーディネーター
香川栄養専門学校(女子栄養大学短期大学部)卒業後、管理栄養士・荒牧麻子氏に師事。のちブラジル・バイーアへ料理留学。帰国後ヴィーガンカフェ “Cafe Eight”のフードディレクターとしてケータリング・商品開発の企画運営に携わる。 現在はフリーランスとして、企業、メディアに向けたメニュー提案及び調理&スタイリング、栄養相談、料理教室、オーダーメイドケータリングなどを中心に活動中。女子栄養大学生涯学習講師。
著書に「満たされスープ」(世界文化社)、「かわいい!カラフルお弁当」(女子栄養大学出版部)。監修を手がけたものに「ギャル曽根流 大食いHAPPYダイエット」「世田谷農家に教えてもらう本当においしい野菜の食べ方」(ともにマガジンハウス)ほか。「ELLE a table」「VOGUE」「anan」「Hanako」「Tarzan」など各誌でも活躍中。ちなみに「トルコトラベルブック」(東京地図出版)は、cotogoto店長・涌井との共著本。
HP:http://bisaijimasumi.com/