「あさりの時雨煮」、「牛肉の時雨煮」など、
生姜入りの佃煮のことを指す「時雨煮(しぐれに)」は、甘辛味でごはんにぴったり。
旬のきのこを組み合わせた「きのこの時雨煮」は、しゃきしゃきした食感も後引く一品です。
冷めても美味しいので、混ぜるだけ、和えるだけなど、加熱しないアレンジもおすすめ。
秋らしい「きのこのまぜごはん」と、
生の春菊と和える「きのこと春菊の和風サラダ」にリメイクします。
「きのこの時雨煮」
から広がる3つの美味しい!
きのこの時雨煮
炒めて旨味を凝縮
加熱すると水っぽくなりがちなきのこは、味つけ前に油で炒めて水分を抜くのがポイント。きのこがよく調味料を吸って、短時間で味がよく染み込みます。冷めても水気が出にくいのも、お弁当向きです。
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基本のおかず
しゃきしゃきした食感と甘辛味が後を引く
きのこの時雨煮
材料(1人分)
しいたけ、しめじ、まいたけ
…合わせて100g
こんにゃく(アク抜き不要)…30g
生姜(薄切り)…2枚(3g)
細ネギ…1本(3g)
(A)
出汁…大さじ2
酒、しょうゆ、みりん…各大さじ1/2
砂糖…小さじ1/2
ごま油…小さじ1
つくり方
1.しいたけは薄切り、しめじ、まいたけは石づきを落としてほぐします。
2.こんにゃくは4cmの長さの細切り、生姜は千切りにします。細ネギは3cm幅に切ります。
3.小鍋にごま油、生姜を入れて中火で熱し、香りが立ったらきのこ、こんにゃくを加えて炒めます。炒めているうちにきのこから水分が出てしんなりしていきます。
4.(A)を加えて弱めの中火で汁気がなくなるまで2~3分煮ます。火を止めて、細ネギを加えて混ぜます。
ポイント!
きのこを先に油で炒めることで、余分な水分が抜けて味が染み込みやすくなり、また、甘みが出て食べやすくなります。油が足りないように感じても、炒めているうちにきのこから水分が出てくるので大丈夫です。
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リメイクおかず
材料(1人分)
「きのこの時雨煮」…1人分
ごはん…150g
銀杏(茹でたもの)
…3~4個(10~12g)
つくり方
1.ボウルにすべての材料を入れて混ぜ合わせます。
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リメイクおかず
材料 (1人分)
「きのこの時雨煮」…1人分
春菊…50g
(A)
サラダ油…小さじ1
酢、しょうゆ…各小さじ1/2
つくり方
1.春菊はざく切りにします。茎の太いところは縦に薄切りにします。
2.ボウルに(A)を合わせ、「きのこの時雨煮」と1を加えて和えます。
プラスすると栄養面や味、食感、彩りなど、
ぐんとお弁当のバランスがよくなる副菜をご紹介。
ニンジンと卵のきんぴら
細切りにしたニンジンと薄焼き卵を合わせた、やさしい味のきんぴら。ニンジンのこりこりとした食感と、卵のふわふわとした食感のコントラストも新鮮です。ニンジンは、免疫力を高め、皮膚や粘膜を丈夫にするビタミンAが豊富な野菜。寒くなってくる今の季節の風邪予防に、積極的に摂りたい食材です。
材料(1人分)
ニンジン…1/3本(40g)
卵…1/2個
しょうゆ、みりん…各小さじ1
白ごま…小さじ1
サラダ油…小さじ2
つくり方
1.ニンジンは皮を剥き、細切りにします。ボウルに卵を割りほぐします。
2.フライパンにサラダ油の半量を中火で熱し、卵液を流し入れ、全体に広げます。表面が乾いてきたら裏返し、さっと焼いて取り出します。粗熱がとれたら縦4等分に切って重ね、5㎜程度の細切りにします。
3.同じフライパンに残りのサラダ油を中火で熱し、ニンジンを炒めます。しんなりしたら、しょうゆとみりんを加えて汁気がなくなるまで炒めます。2と白ごまを加え、火を止めます。
豚肉と青梗菜のゆずこしょう炒め
気温が下がる晩秋が最も美味しいといわれている青梗菜を、豚肉と炒めたボリュームのある一品。ゆずこしょうの香りと辛味がぴりりと利いて、食欲をそそります。青梗菜は、抗がん作用があり、皮膚、髪、粘膜などの健康を維持する役割をするβカロテンが豊富。βカロテンは油と一緒に摂ると吸収率が高まるため、炒め物はおすすめの調理法です。また、免疫力を高めるビタミンCをはじめ、カルシウムやカリウム、ビタミンEや鉄分など含まれる栄養素が多い、寒い季節の健康維持にうれしい野菜です。
材料(1人分)
豚こま肉…60g
青梗菜…1/2株(50g)
(A)
酒…小さじ1
ゆずこしょう…小さじ1/2
しょうゆ…小さじ1/2
サラダ油…小さじ1
つくり方
1.豚肉は、塩少々をもみ込みます。青梗菜は根元を切ってばらし、3cm幅に切ります。
2.フライパンにサラダ油を中火で熱し、豚肉を炒めます。
3.豚肉の色が変わったら、青梗菜の軸、葉の順に加えて炒め、合わせた(A)で調味します。
使ったお弁当箱
角長ランチボックス
スリム2段(工房アイザワ)
幅が狭く長さのあるスリム形の弁当箱。「きのこの時雨煮」や「ニンジンと卵のきんぴら」、「豚肉と青梗菜のゆずこしょう炒め」など、形状が固定されていないおかずばかりの組み合わせでも、端から詰めるだけできれいに収まります。細みで手にすっと収まるから、持ちやすいのもポイントです。
みないきぬこさん
料理家
女子栄養大学卒業後、料理研究家・枝元なほみさんのアシスタントを経て、2007年に独立。雑誌やテレビ、広告などで料理家・フードコーディネーターとして活躍する傍ら、ケータリングなどの活動や女子栄養大学で非常勤講師も務める。スパイスやハーブを上手に取り入れた家庭料理やおもてなし料理が人気。素材と素材の美味しい組み合わせを見つけるのが得意で、自由な発想による料理の幅の広さに定評がある。「はじめてのストウブ」(池田書店)や「かんたん、なのに満足!スープでごはん」(池田書店)、栄養の知識を活かした「大豆で美味しい毎日レシピ」(枻出版社)など著書多数。