2017年11月公開
穴が開いていることから「見通しがきく」と縁起を担がれるレンコンは、
晩秋から冬にかけて粘りが出て甘みも増し、旬を迎えます。
煮物や炒めものも美味しいですが、
さっと茹でて漬物にすれば保存が利いて、
いろいろな料理への展開もできる便利な一品に。
同じく季節の野菜、大根とニンジンと合わせた「根菜の福神漬け」を
料理研究家・夏井景子さんに教わりました。
唐辛子がピリッと利いた甘じょっぱい味付けと、
シャキシャキとした歯ごたえはついつい後を引く美味しさです。
さらに、「かぼちゃと青菜の福神漬け炒飯」と
「福神漬けのクリームチーズコロッケ」、
2品のアレンジレシピもご紹介します。
ほっくりシャキシャキ、独特の食感のレンコン
蓮の地中にある茎(地下茎)の「レンコン」は、根菜の一種。
糖質が多いため、火をよく通すとほっくり、
さっと火を入れるとシャキシャキと、
火の入れ方で食感が変わります。
食物繊維やビタミンCが豊富なので、美肌や
寒い季節の風邪予防にもおすすめの食材です。
穴が開いている独特の形状から、
直径の大きいものは切るときに割れやすいため、
均一の大きさに切りそろえたいときは、
直径が3~5cmの小ぶりのものを選びましょう。
教えていただいたのは…
料理研究家 夏井景子さん
新潟出身。板前の父と料理好きの母の影響で、食べること、つくること、食べてもらうことが大好きに。製菓専門学校を卒業後、パン屋やカフェに勤務。東京原宿にあったカフェ「AnnonCook」で店長を務めた後、独立。現在は、雑誌やWebサイトへのレシピ提供や、野菜をたくさん使った家庭料理を教える料理教室を毎月開催。自身も好物というキムチ教室も人気。オフィシャルサイトはこちらから。
材料(つくりやすい分量/
完成量約400g)
- レンコン…小3節(200g)
- ニンジン…1/2本(100g)
- 大根…5cm(100g)
- 生姜…1/2片(15g)
- きび砂糖…40g
- しょうゆ…50cc
- 酒…80cc
- 昆布…1×3cm
- 鷹の爪…1本
- しょうゆ…30cc
- 酢…30cc
- 白ごま…適量
(A)
(B)
1.ニンジンは2~3mmの厚さのイチョウ切りに、大根はニンジンの大きさに合わせて5mmの厚さにイチョウ切りにします。
2.1をポリ袋に入れ、塩小さじ1.5(分量外)を加えて、袋の上からもむように混ぜ、全体に塩をなじませます。ポリ袋に入れたまま一晩置きます(冷蔵庫に入れる?)。
3.一晩経ったら2をザルに上げ、ザルに押し当てるように水気をしっかり切ります。
【ポイント】
保存性を高めるため、ザルに押し当てる際は、ラップを被せた上から食材に触るようにします。
4.生姜は皮をむいて千切りにします。
5.レンコンは、2~3mmの厚さにイチョウ切りにし、切った先から水にさらしてアクを抜きます。
6.5のレンコンを塩茹でします。鍋にレンコンがかぶるくらいの水(約600cc)を沸かし、沸騰したら塩小さじ1.5を入れ、5分茹でザルに上げます。
7.鍋に(A)を入れ強火で熱し、沸いたら弱火にして2分ほど煮詰めます。
8.7に3の大根とニンジンを加え中火で加熱し、鍋の周りがフツフツしてきたら6のレンコンを加えます。
9.鍋の周りが再びフツフツしてきたら火を止め、粗熱が取れたらザルで具と汁を分けます。
10.汁の方に(B)を加え中火にかけ、沸騰したら取り出しておいた具を戻します。鍋の周りがフツフツしてきたら火を止めます。
【ポイント】
しょうゆを2回に分けて加えるのは、香りを残すためと煮詰まり過ぎて塩辛くなるのを防ぐためです。また、一度具を取り出すことで煮過ぎず、ほどよい歯ごたえが残ります。
11.冷めたら白ゴマをふりかけます。白ゴマを加えることで、香ばしさとプチプチとした食感も楽しめる福神漬けに仕上がります。
12.保管は、空気に触れないよう、密封できるビニール袋がおすすめ。空気をしっかり抜くように封をします。昆布は、食べるときに千切りにします。
夏井さんが選んだ器は…
浅リムスープ皿 小 渕錆
(JICON・磁今)
あたたかみのある「生成りの白」が特徴的なJICONのスープ皿。「シンプルな白色の器は、福神漬けのあめ色を美味しそうに見せてくれます。UFOのような丸いかたちの曲線もキレイですね」