空気が澄んでくるのを感じる10月。
ゆったりと息が深くなる季節は、香りにも敏感に。
ちょうど、日本料理をはじめ、古くから日本の暮らしに欠かせない
柑橘類の「ゆず」が旬を迎えます。
冬を通して出回る果物ですが、出始めの今の時期のものほど果汁が豊富。
爽やかな香りと酸味が後を引く「ゆずポン酢」に仕立てておけば、
冬の鍋料理は万全です。
手軽につくれて、冷蔵庫で1ヵ月は日持ちが可能な「ゆずポン酢」を
フードスタイリスト・ダンノマリコさんに教わりました。
香りよく、皮・果汁・種とすべて使えるゆず
爽やかな香りで、古くから日本で親しまれてきた柑橘類。
今では海外でも、「ユズ」と呼ばれて人気だとか。
10月頃から、冬を通して出回りますが、
季節が進むにつれ実の果汁が減っていくため、
果汁を使う「ポン酢」づくりは、出始めの時期がねらい目。
皮はもちろん、化粧水づくりに種が使えるなど、
余すところのない果物です。
教えていただいたのは…
フードスタイリスト ダンノマリコさん
フードコーディネーターのアシスタントを6年間務めた後、独立。栄養士の資格も持ち、本や雑誌などでのスタイリングだけでなく、料理も担当。「保存びんに、季節とおいしさ詰め込んで。」(主婦の友社)、「フードスタイリストのアイデア満点ほめられ弁当 」(主婦と生活社)、「持ちよりゴハン」(学研プラス)など、自身で料理を担当する著書も多数。「馬路村農協のゆずレシピ」(PARCO出版)ではレシピを担当。自宅近くの子どもたちを集めて一緒に料理をつくる会を開催するなど、家庭でのごはんを大切に、日々食に携わっています。
材料(つくりやすい分量/
完成量約350ml)
- ゆず絞り汁…1/3カップ
※果汁の量には個体差がありますが、今回は4個(480g)を使用。 - しょうゆ…1/2カップ
- 米酢…1/3カップ
- 昆布…5×10cm
- 鰹節…5g
- みりん…1/3カップ
- 酒…1/3カップ
- きび砂糖…大さじ2
(A)
1.ゆずの果汁を絞りやすくするため、果肉に切り込みを入れます。横向きに1/2にカットしたら、包丁でくるりと一周、房の白い皮の部分を断ち切るように果肉に包丁を入れます。
2.果汁を絞ります。1のゆずでフォームを挟むようにして絞ります。皮の内側の白い部分を削ると苦味が出てしまうので、フォークは果肉部分に当あたるように差し込みます。種が果汁に混じらないよう、ざるなどを使います。
3.保存瓶に昆布と鰹節を入れます。
【ポイント】
鰹節は、お茶パックに入れると、後で取り出す際にこす手間がかかりません。
4.3の保存瓶に、ゆずの絞り汁、しょうゆ、酢を注ぎます。
5.(A)を合わせて鍋に入れ、中火にかけます。沸騰したら火を弱め、1分したら火を止めます。
【ポイント】
酒、みりん、砂糖を火にかけるのは、アルコールを飛ばし、砂糖をしっかり溶かすためです。4のしょうゆ、ゆずの絞り汁、酢は、香りを生かすため、火にはかけません。
6.4に5を熱いうちに加えます。熱いうちに加えることで、4の酢の酸味がまろやかになります。
7.冷めたら蓋をして冷蔵庫で保存し、2~3日経ったら鰹節を軽く絞って取り出します。昆布はそのまま入れておきます。
ダンノさんが選んだ器は…
ドレッシング入れ(ガラス工房 橙)
くるみの殻の灰が練りこまれ、ほんのり緑がかった吹きガラスのドレッシング入れ。「ガラスというと夏場に使うイメージですが、手吹きのガラスは手触りにもあたたかみがあって、秋冬に使うのもいいですよね。ポン酢を入れて食卓に出すのに、サイズも手頃です」