2.九谷青窯の器ができるまで
デザイン、成形、絵付けまで、社内で一貫して行う九谷青窯。
どのような工程を経て、九谷青窯の器たちができあがるのか、その流れをご紹介します。
土揉み(土錬機)
陶土から空気を抜くために、「土練機(どれんき)」という機械で土を練ります。土を均等にして、ヒビや割れを起こさないようにします。
土揉み(菊練)
土練機と同じことを人の手でやる「菊練(きくねり)」。練っている土が菊の花のように見えることからこの名前が付きました。菊練することで、細かい空気が入ってやわからい印象になるのだとか。
成形(ろくろ)
ろくろでかたちをつくる場合、まずはろくろの上で土の中心を揃える「土殺し」を行います。ろくろを回しながら土を上げたり下げたりして、土の中心を整えていきます。
土の中心が定まったら、いよいよ成形。 内側と外側の両方から指で土を挟むようにして、角度や厚さを整え、かたちをつくっていきます。
竹の棒で組まれた「トンボ」という道具で、器の高さや幅、長さを計り、サイズが均一になるように調整します。糸を使って切り離し、しばらく乾かします。
見本の完成品「色絵花繋ぎ 飯碗」とひいたばかりのものを並べると、大きさが違いますが、焼くと2割くらい縮むことを見越してつくっています。
成形(型)
型をつかう成形は、板状にした粘土を使い、「タタラづくり」と呼ばれます。まずは、平らに均した土の塊を糸を使って薄く削ぎます。
型に薄く削いだ粘土を被せ、手でパンパンと叩きながらかたちを移していきます。
高台のある器の場合、そのまま、細く紐状にした粘土で高台をつくり、取り付けます。
縁部分の余分な土は切り取ります。
慎重にひっくり返し、型から外します。
削り
ろくろのものもタタラのものも、成形の最後に、高台の裏などの余分な土を削ってかたちを整えます。
乾燥
乾燥室に入れ、約2日乾燥させます。触った感触がベタベタせず、さらっとしていたら乾燥室から出します。
素焼き
乾かした生地を焼き上げます。素焼きすることで生地が硬くなり、絵付けしやすくなります。
下絵付
呉須という顔料と筆を使って下絵を描いていきます。
施釉(せゆう)
下絵を描いたら、表面に透明釉をかけ、再度乾燥させます。
本窯
天井まで届くほどの大きな窯を使い、素焼きよりもやや高温で10数時間焼きます。
焼きあがると表面の釉薬は透明になり、下絵が出てきました。色絵付けをしないものは、この工程で完成となります。
上絵付け
焼きあがった器に上絵具で彩色していきます。
顔料に水分を足しながら、描きやすい濃度に微調整します。
上絵窯
最後の焼成。上絵したものを焼き上げていきます。
完成
ついに完成。色絵の器ができるまで、最短で工程を進めても約10日はかかると言います。