ほうき・ブラシ (つくばのほうき工房)
蛤手ほうき:8,000円(税抜)
折り返しブラシ:3,500円(税抜)
音が静かで時間を気にせず掃除ができ、排気も出ないし、電気代もかからない。
今再び見直されつつある掃除道具が、ほうきです。
柄と穂の接合部分の丸く膨らんだかたちが目を引く「蛤(はまぐり)手ほうき」は、
茨城県つくばに伝わる伝統的なほうきスタイル。
ホウキモロコシという稲穂に似た植物を使ってつくられ、
しなやかでコシのある穂は、畳やフローリングなど座敷ほうきとして最適です。
手にするとまず、その軽さに驚きます。
これならちりとりを携えながら、片手でらくらく掃き上げることができます。
茎の表皮を蛤形に編み上げていく際、余分な茎を間引くことで
角張った櫛形のほうきに比べずいぶんと軽く仕上がるのです。
そのうえ長年使い続けても、かたちが崩れたりバラけたりせず丈夫。
さらに、ひと掃きしてみて気づくのは、掃く姿勢の自然なこと。
無理のない姿勢のままでも、床と穂先がきれいに垂直に当たるよう
編み込む際に少しずつホウキモロコシの長さを調節しながら、穂先に約20度の傾斜がつけられています。
パツンとハサミで切り揃えてしまえば簡単ですが、固い穂先は畳やフローリングを傷つけてしまいます。
育ったままの細くてしなやかな穂先を残すことで、細かな溝のゴミも気持ちよく掃き出せます。
畳やフローリングを掃く座敷ほうきの「蛤手ほうき」と、
サッシの溝や卓上など小回りが利く「折り返しブラシ」の2種類。
「折り返しブラシ」は、茎を折り返して編み込んだ持ち手が握りやすくなっています。
ホウキモロコシは静電気が起きにくいので、
カーペットについたペットの毛や洋服のホコリ払いにもおすすめです。
つくり手は、「つくばのほうき工房」の酒井豊四郎さん。
ほうきづくりに携わって65年以上、
蛤形ほうきを自由自在につくることができる熟練のほうき職人です。
やわらかくコシのある最上のほうきをつくるためには、素材づくりからこだわります。
材料であるホウキモロコシは、工房裏の畑にて無農薬で自家栽培。
自分で育てるからこそ、ホウキモロコシが若くやわらかい最適なタイミングで収穫できるのです。
汚れれば洗えて、多少のクセもメンテナンス可能。
使ううちに穂先が磨り減って固くなったら、玄関用、それから庭掃きに。
ここまで使って約40年。
一番の驚きは、この寿命の長さかもしれません。
つくり手が減っていく今、稀少で高価なイメージのあるほうき。
でも、これだけ長く使えるのなら、
ぐっと身近で、暮らしを共にする相棒のようにも思えてきます。
バリエーション&商品詳細
クリックで拡大画像をご覧いただけます。
-
「蛤手ほうき」は、柄が短く軽いのが特徴。使いたいときにさっと取り出せる機動力は抜群。モデルの身長は160cmです。
-
ホウキモロコシの茎部分を折り返して編み込んだ持ち手が特徴の「折り返しブラシ」。握りやすく、小回りが利きます。
-
パツンとハサミで切り揃えず、育ったままの穂先の状態を生かしています。しなやかでコシがあり、当たりがやわらかくなるため、フローリングや畳を傷つけません。
-
吊るすための紐にも一工夫。結び目を柄の中に収めることで、輪のかたちがしっかりキープされ、片手でも掛けやすいのです。左が「折り返しブラシ」で、右が「蛤手ほうき」。
-
「蛤手ほうき」の飾り糸は、赤と青。順番はアソートとなりお選びいただけません。魔除けの意味がある麻の葉紋になっています。
-
編み込む際に使う金色の糸は、スチールワイヤーが入ったビニール線。飛び出して引っかからないよう、端も丁寧に始末されています。「蛤手ほうき」は、柄に開けた穴に差込み、竹串を打ち込んで固定。
-
「折り返しブラシ」の柄の端は、細かく刈り込み、バラけたりクズが出ないようボンドで塗り固められています。
ほうきができるまで
クリックで拡大画像をご覧いただけます。
-
材料であるホウキモロコシは、工房裏の畑で自家製。6月に種を蒔き、8月中旬に収穫を迎えます。畑が荒れないよう、また使うときに安心なように無農薬で栽培しています。
-
1本1本手で収穫し、すぐに脱穀。
-
脱穀したら、熱湯で煮て灰汁を抜きます。ここで無農薬ゆえについた虫も除かれます。
-
天日干し。収穫して時間が経つと樹液が発酵して粘りが出てしまうため、収穫からここまでを1日で済ませなくてはいけません。3日間干し続けます。
-
青かったホウキモロコシが天日干しにより枯色に。つくるものに合わせて長さを10種類以上に選り分け、ほうき1本ずつに束にまとめておきます。この選別が難しいところ。
-
ようやく、ほうきのかたちにしていく作業スタート。作業中に折れてしまわないよう、再びホウキモロコシを湿らせやわらかくしてから、まずはベースとなる束をつくります。
-
ベースとなる束に1本1本ホウキモロコシを追加しつつ、ビニール線で編み込んでいきます。このとき、ホウキモロコシの長さを選びながら、穂先に約20度の傾斜がつくよう計算しているのです。
-
柄となる竹を差し込みます。
-
内側の余分な茎を削ります。そうすることで軽く仕上げることができるのです。
-
柄と穂の接合部分も、編み込んで固定していきます。
-
ビニール線で編み込んでいきながら、模様もつけていきます。きっちり固定するという意味だけでなく、使う楽しさも盛り込んでいるのです。
-
ビニール線の端の始末。柄に穴を開け、端を差し込みます。
-
右端が編み立てのもの。乾かしてから、左2本のように飾り糸をしたら完成です。編み始めから完成まで、2〜3日かかります。
-
ほうき・ブラシのお手入れ
しっかり編みこんで束ねられたつくばほうきは耐久性抜群。
適切なお手入れをしていけば、何十年と使うことができます。
- 【穂先の汚れが気になったら】
1. 中性洗剤を溶かした水に穂先の5〜10cmまでを浸け、たわしで汚れをかき出すように洗います。
2. きれいな水でよくゆすいだら、振って水気を切り、風通しのいい涼しいところに2〜3日吊るして乾かします。
【穂先にクセがついてしまったら】
1. 穂先を水で濡らし、水を切らずに30分程平置きします。
2. 穂先を手でぐいっと戻したい方向に曲げると、ある程度戻ります。そのまま風通しがいい涼しいところに吊り下げて乾かします。
- 材質
- ホウキモロコシ、ビニール線、麻
蛤手ほうきの柄:竹 - サイズ
- 蛤手ほうき:約W270〜310×D50×H860〜880mm
折り返しブラシ:約W100×D25×H245mm - 重量
- 蛤手ほうき:約220〜250g
折り返しブラシ:約45g - 備考
- ※サイズ、重さは個体ごとにかなりのバラつきがあります。
あくまで参考としてご覧ください。
つくばのほうき工房について
明治25年に現在の茨城県つくば市大穂地区に伝わったほうきづくりを、今に至るまで続けてきた唯一のほうき工房。
材料であるホウキモロコシを工房裏の畑で自家栽培するからこそできる、フローリングにも適した、
やわらかくコシのあるほうきが人気です。
職人の酒井豊四郎氏は、中学卒業から65年以上ほうきづくりに携わる大ベテラン。
伝統的な蛤形ほうきの高度な技術を継承している熟練のほうき職人です。
掃除機の普及にともない、次々に周りが廃業していく中、つくばの優れた蛤形ほうきをなくしたくないと、
独自の工夫も盛り込みながら、今の暮らしにあったほうきづくりを続けています。
【ラッピングについて】
「蛤手ほうき」は、ラッピングを承っておりません。
システムの関係上、カートからラッピングをお選びいただける状態ですが、
お選びいただいてもラッピングいたしかねますので、ご了承ください。