「紫蘇の佃煮」に出汁を注ぐだけでお吸い物に。
あたためることで紫蘇の香りがふわっと立ち上がって食欲をそそります。
きゅっと縮んでいた紫蘇が出汁で戻され、他に具を足さなくても、食べ応え十分。
出汁は、カツオでも昆布でもお好みのものを。
和出汁以外に、鶏がらスープでも、また違った味わいが楽しめます。
材料(お椀1杯分)
- 紫蘇の佃煮…小さじ2~大さじ1
- 出汁…1カップ
- すりごま(お好みで)…少々
つくり方
1. お椀に「紫蘇の佃煮」を入れ、あたためた出汁を注ぎます。 好みですりごまを適宜ふります。
井澤さんが選んだ器は…
端反椀 本朱 (輪島キリモト)
普段から漆器をよく使うという井澤さん。「祖父母が使っていた明治時代のものが家にあって、よく使います。塗りのものは何を盛っても格好がつくんです」。出汁の旨味とほんのりとした甘みのやさしい汁物と、漆のやわらかな口当たりはぴったり。漆というと敷居が高く感じがちですが、輪島キリモトのモダンなデザインなら、いつもの食卓で気兼ねなく使えます。
甘すぎないので、他の食材と和えても使いやすい「紫蘇の佃煮」。
おかかとしょうゆをかけるだけになりがちな青菜も、
いつもとは一味違う副菜へと変身します。
とろりとした佃煮は、ツルムラサキやオクラ、明日葉、モロヘイヤなど、
ねばねばの野菜と好相性。塩茹でした後、野菜を細かく叩いて和えてもオツです。
材料(2~3人分)
- 紫蘇の佃煮…大さじ2
- ツルムラサキ…200g
- しょうゆ…小さじ1/2
- ごま油…小さじ1/2
つくり方
1. ツルムラサキは塩茹でし、水で洗って水気を絞り、3、4cmに切ります。
2.1をボールに入れ、しょうゆ小さじ1/2で混ぜ、絞って余分な水分をとります。
3.ごま油をなじませ、「紫蘇の佃煮」をさっくり和えます。
井澤さんが選んだ器は…
5寸皿染付 菊 (樋山真弓)
人気の窯元・九谷青窯出身の樋山真弓さんによる、呉須の藍青色が美しい平皿。「染付けの青が、暑い季節に涼やかですよね。視覚からも涼しくならないと。5寸というサイズも使いやすいと思います」と井澤さん。藍青色が、食材の色を美しく見せてくれる一枚です。
「紫蘇の佃煮」の甘みが酢の酸味をやわらげ、紫蘇の香りが爽やかな和風ドレッシングに。
海苔が入ってとろりとしたドレッシングは、
ジャコやクルミなどカリカリとしたものと合わせると、
食感のコントラストがついて、より完成度がアップします。
材料
- 紫蘇の佃煮…大さじ1~2
- 酢(きび酢)…大さじ1~1半
- ごま油…小さじ1
つくり方
1. すべての材料を合わせて混ぜます。井澤さんが選んだ器は…
コニカルビーカー 300ml (HARIO)
耐熱ガラスメーカー「HARIO」の「コニカルビーカー」。「なんだか実験している感じでかわいいですね。注ぎ口があるのも便利です」。300mlのサイズは、ドレッシングの材料を混ぜやすく、そのまま食卓に出して器として使うのにもちょうどいい大きさです。
ごはんに紫蘇の佃煮をのせ、まずはそのままいただきます。
そして二杯目は、ぜひ冷たい緑茶を回しかけたお茶漬に。
紫蘇の香りが食欲をそそり、緑茶がさっぱり。さらさらと食べることができてしまいます。
紫蘇も緑茶も、体の余分な熱をとる作用があるため、夏にぴったりです。
材料(お茶碗1杯分)
- 紫蘇の佃煮…小さじ2~大さじ1
(お好みで量は調節) - ごはん…お茶碗1杯弱
- 冷たい緑茶…200~300ml
(お好みで量は調節)
つくり方
1. お茶碗にごはんを盛り、「紫蘇の佃煮」をのせ、冷たい緑茶をかけます。お好みで白ごまをかけても。教えていただいたのは…
料理家 井澤由美子さん
調理師、国際中医薬膳師。
中医学や薬園を学び、食材の効能や素材の味を生かし、
季節を大切にした料理を提案。
素材の旨味を引き出す塩使いにも定評があり、
ご本人曰く「塩遊び」はライフワークのひとつ。
NHK「きょうの料理」「趣味どき!」「あさイチ」などの料理番組や
雑誌、新聞、カタログ、イベントなどで活躍。
著書も多数。
オフィシャルサイトは、こちら。